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ネットワークはJGN-X/StarBED3 から新世代へ

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【展示概要】新世代通信網テストベッド:JGN-X /大規模エミュレーションテストベッド:StarBED3

新世代通信網テストベッド(JGN-X)と大規模エミュレーションテストベッド(StarBED3)の概要説明。

技術・展示の内容

JGNは、先端的なネットワーク技術の研究開発や多様なアプリケーションの実証実験を推進するための大規模な研究開発用テストベッドネットワークとして、1999年のJGN、2004年のJGN2、2008年のJGN2plusとして継続的に運用され、その都度、最先端の機能・性能を取り込みながら発展してきました。

またStarBEDは、大規模汎用のネットワークシミュレータとして、2002年のStarBED、2006年のStarBED2として継続的に運用され、インターネットからユビキタスネットワークへとミッションスコープを拡大してきました。

NICTは、2020年代の実現を目指し、欧米とのネットワーク研究開発競争で主導権を確保しつつ、2015年度までに新世代ネットワーク技術の実用化に目処をつけるべく、様々な研究開発を推進しています。

この一環として、2011年4月、NICTの新中期計画スタートに合わせ、テストベッド研究開発推進センターを設置し、テストベッドを活用した研究開発体制の強化とともに、機能・性能をバージョンアップしたJGN-X及びStarBED3の運用を開始しました。

JGN-Xでは構築・運用の目的を新世代ネットワーク技術の確立とその展開にフォーカスし日本を縦断する広域ネットワークに様々な新技術を実装するテストベッド環境を活用することで、ネットワークユーザと効果的に連携して無線・光技術の統合管理、ネットワークの仮想化、多種多様レイヤの運用管理等の研究開発を加速していきます。

また、大規模エミュレーション基盤「StarBED3」と一体化することで、エミュレーションから広域ネットワークでの実証に至るまでネットワークの総合的なテストベッド環境が提供可能になります。これらのテストベッドの概要をご紹介します。

【展示概要】JGX-X 動的オンデマンドの経路選択技術のユーザビリティ検証

JGN-X の実証実験や実験事例の動態展示等を行う。

技術・展示の内容
図1:実験全体のイメージ
図1:実験全体のイメージ
図2:物理網の仮想統合化と論理網での配分
図2:物理網の仮想統合化と論理網での配分

2012 さっぽろ雪まつり実証実験にて実施した、OpenFlow、SDTN(NTT NS 研開発)などのSDN(ソフトウェアによるネットワーク制御)技術やSA46T(富士通)等を多層的に用い、利用形態ごとに最適な通信を実現する新世代ネットワークの実証実験の紹介とデモを行います。本実験ではJGN-X 上で研究を進めている技術を用い、HDTV品質の伝送網を利用者のニーズに合わせて素早く柔軟に構築できる多層仮想化ネットワークのモデルを提示しました。将来的な国際マルチキャリア・マルチインフラでのネットワークの方向性の一つと考えています。

なお、今回構成した実験網を用いて様々な実験が並行実施されています。

  • LIME: ITU-T にて標準化されたIPTV 技術。今回はスイスを含めた海外連携実証実験に成功
  • Wi-Fi 映像伝送: 大通り会場にてスマートフォンへのWi-Fi によるエリア限定映像配信実験に成功
  • 仮想化ノード: 複数の独立論理ネットワーク(スライス)上にて多地点配信とOpenFlow(OFIAS)実験に成功

図3:LIME画面
図3:LIME画面
図4:Wi-Fiストリーミング
図4:Wi-Fiストリーミング
図5:仮想化ノードとの連携
図5:仮想化ノードとの連携

【展示概要】JGN-X OpenFlowテストベッドRISE

  1. JGN-X 上に構築し,一般ユーザへのサービスを提供中のOpenFlow テストベッド “RISE”(Research Infrastructure for large-Scale network Experiments)の紹介
  2. NICT で研究開発中のOpenFlow テストベッド仮想化システムの紹介及びデモシステムの展示

技術・展示の内容

1. 
RISE(Research Infrastructure for large-Scale network Experiments) は、NICT で運用しているテス トベッド JGN-X 上に構築されたOpenFlow テストベッドです。日本全国(8カ所)だけでなく、海外拠点(ロサンゼルス,バンコク)にもOpenFlow スイッチならびに実験用サーバが配置されており、広域ネットワークで運用されているのが特長です。RISE は"SDN" (Software Defined Network)ですので、ユーザが OpenFlow コントローラのソフトウェアを実装することで,ユーザが考える「ネットワーク」を実現できます。この RISE の開発・実験環境について,展示を行います。

2. 
NICT では、OpenFlow テストベッドの仮想化技術の研究開発に取り組んでいます。仮想化の目的は、OpenFlow テストベッドの物理的な制約からユーザを開放し、より自由なネットワーク定義を可能にすることです。今回の展示では、既存技術では不可能だった、複数のユーザーが、同時にお互いの干渉なく、パケットとその通信経路を自由に指定できる仮想化システムの紹介及び展示を行います。

【展示概要】災害時における通信インフラに関するエミュレーション

北陸StarBED 技術センターにおいて今年度から研究開発を進めている災害時におけるICT 環境に関してのエミュレーション技術のコンセプトを示すため、既存技術を応用してProof-of-concept なエミュレーションを実施した結果を可視化して、パネルによる概要説明と合わせてディスプレイにより展示する。

技術・展示の内容

災害時におけるICT 技術の検証のためには、通信回線の物理的情報のような物理層から、通信メディアの輻輳やデバイスの配置などの状況、サービスソフトウェアやサーバシステムの動作状況など多層に跨がったICT環境のそれぞれの要素が被災によってどのような影響を受けるのかを正しく模擬できる必要がある。耐災害の新しいICT 技術を実装した機器やソフトウェアが災害時に正しく、有効に機能するのかを検証できるようにするため、北陸StarBED 技術センターでは実際の機器やソフトウェアを組み合わせられる災害時のICT に関するエミュレーション基盤の研究開発を行っている。
 

今回は、その技術のコンセプトを示すため、既存技術をベースとして組み合わせ、災害シナリオに合わせたエミュレーションのコンセプトレベル実証のためのエミュレーションを試作したので、これを可視化し、パネルによる概説と併せて展示する。

図. 災害時のICT に関するエミュレーションの可視化(試作段階)
図. 災害時のICT に関するエミュレーションの可視化(試作段階)
【展示概要】実験ShowCase

北陸StarBED 技術センターの持つ大規模エミュレーション基盤や各種のエミュレーション技術を広く利用者になる可能性がある人に知ってもらうため、これまでの実験について複数の事例をビデオ等のコンテンツにまとめた上で、聴衆に興味のある事例を選択してもらい、その事例のコンテンツをディスプレイ表示する。

技術・展示の内容

北陸StarBED 技術センターでは、これまで、インターネットや無線LAN、Adhoc 無線、家電ネットワーク、センサネットワークなど様々な環境をエミュレーションし、多くの実験環境を提供してきた。1000 台以上のネットワークを自在に設定できるHaaS 型環境である、大規模エミュレーション基盤とこれらのエミュレーションの技術が北陸StarBED 技術センターの特色である。

本展示では、聴衆の望むような実験・検証が可能であるかを知る手がかりとしてもらうことを目的として、今までの実験の事例をビデオコンテンツとしてまとめ、聴衆に興味のある事例を選択し、見てもらうことで、我々の大規模エミュレーション基盤とエミュレーション技術によってどのような実験ができるのかを知ってもらう展示を行う。

図1:インターネットの模倣
図1:インターネットの模倣
図2:Adhoc無線エミュレーション
図2:Adhoc無線エミュレーション
図3:HEMS 統合シミュレーション
図3:HEMS 統合シミュレーション