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プライバシー保護データ処理技術に対して「第19回コンピュータセキュリティシンポジウム2016(CSS 2016)」最優秀論文賞を受賞

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2016年11月7日

国立研究開発法人情報通信研究機構

NICTサイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 江村恵太主任研究員、林卓也研究員は、東京大学 國廣昇 准教授、筑波大学 佐久間淳 教授と共に、10月11日(火)〜13日(木)、秋田キャッスルホテルにおいて開催された「第19回コンピュータセキュリティシンポジウム2016(CSS2016)」において、プライバシー保護データ処理技術に関する論文「まぜるな危険準同型暗号」により、新規性有用性の観点で特に優れた論文として最優秀論文賞を受賞しました。
CSS2016は、情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)が主催する当該分野日本最大規模の学術シンポジウムであり、今年は参加者が600名を超え併設ワークショップを含め191件の発表がありました。
準同型暗号方式は、暗号分野においてビッグデータ分析・処理におけるプライバシー保護技術として暗号化したまま演算処理を行うことが可能な方式の技術候補として注目されていますが、例えば暗号化されたカルテから病気に関する統計情報を計算したい場合などにおいて、統計結果に演算対象の病気とは別の病気に関する情報が混在してしまう懸念がありました。本論文では、このような誤演算処理を防止するため同じキーワードに関連した暗号文に対してのみ準同型演算を許す新方式を提案しました。
今回の成果は、研究連携先の佐久間教授を代表者とするJST CREST研究課題「自己情報コントロール機構を持つプライバシー保護データ収集・解析基盤の構築と個別化医療・ゲノム疫学への展開」に活用されます。

左から、國廣准教授、江村主任研究員、林研究員、佐久間教授
左から、國廣准教授、江村主任研究員、林研究員、佐久間教授