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セキュリティ関係の3つの学会で受賞

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2017年12月6日

国立研究開発法人情報通信研究機構

「プライバシーワークショップ 2017」、「情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会」、「マルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2017」において、NICT研究者が優秀論文賞等を受賞し、2017年10月に山形県山形市にて開催された「コンピュータセキュリティシンポジウム2017」(CSS2017)表彰式において表彰されました。詳細は以下のとおりです。

1.プライバシーワークショップ 2017 (PWS2017) 優秀論文賞
左から荒井 ひろみ 元主任研究員、林 卓也 招へい専門員
左から荒井 ひろみ 元主任研究員、林 卓也 招へい専門員

「プライバシー保護異常検知フレームワーク」
荒井 ひろみ*1、江村 恵太*2、林 卓也*3
*1 論文執筆時: NICTサイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 主任研究員。現所属: 理化学研究所革新知能統合研究センター
*2 NICTサイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 主任研究員
*3 同 招へい専門員(神戸大学助教)

本論文では、任意の匿名加工方式と異常検知方式で利用可能なプライバシー保護フレームワークの提案・実装評価を行いました。異常データの提供者を特定する一方で、異常データを提供しない限りデータ提供者の匿名性を暗号学的に担保します。

2.情報処理学会 コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)優秀研究賞
左から青野 良範 主任研究員、清藤 武暢 氏
左から青野 良範 主任研究員、清藤 武暢 氏

「高機能暗号の金融分野での応用に関する考察」
清藤 武暢*1、青野 良範*2、四方 順司*3
*1 日本銀行 金融研究所 情報技術研究センター
*2 NICTサイバーセキュリティ研究所 セキュリティ基盤研究室 主任研究員
*3 横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授、横浜国立大学先端科学高等研究院 教授

本論文では、フィンテックに代表される金融技術の高度化により、金融取引に関わるデータが様々な企業によって共有・処理される事例が増え、漏洩のリスク及び鍵管理のコストが問題となる中で、NICTが中長期計画主要研究テーマとして取り組んでいる、データを暗号化したまま様々な処理が可能な準同型暗号をはじめとする「高機能暗号技術」の金融分野への適用の課題と対策を議論しています。

3.マルウェア対策研究人材育成ワークショップ 2017(MWS2017)ベストプラクティカル研究賞
左から遠峰 隆史 研究技術員、津田 侑 研究員、金谷 延幸 主任研究員
左から遠峰 隆史 研究技術員、津田 侑 研究員、金谷 延幸 主任研究員

「サイバー攻撃誘引基盤STARDUST」
津田 侑*1、遠峰 隆史*1、金谷 延幸*1、牧田 大佑*1、丑丸 逸人*1、神宮 真人*1、高野 祐輝*1、安田 真悟*1、三浦 良介*1、太田 悟史*1、宮地 利幸*1、神薗 雅紀*1、衛藤 将史*2、井上 大介*1、中尾 康二*3
*1 NICTサイバーセキュリティ研究所 サイバーセキュリティ研究室
*2 NICTナショナルサイバートレーニングセンター サイバートレーニング研究室
*3 NICTサイバーセキュリティ研究所

標的型攻撃への対策技術の研究開発を進める場合に、攻撃者の組織侵入後の挙動に関する実データセットが必要となりますが、マルウェアの解析のみでは組織への初期侵入という表層的な情報しか得られず、また攻撃の被害状況が記録される各種ログを得ることも、組織の機微情報が含まれることも多いため、非常に困難です。「サイバー攻撃誘引基盤 STARDUST」は、標的型攻撃等の攻撃者を誘い込み、攻撃者の活動の様子を攻撃者に察知されないステルス性の高い手法で観測・分析が可能で、標的型攻撃の実データセットを蓄積し、対策技術の研究開発を加速進展させることが期待できます。