第89回研究発表会を開催

研究発表会の様子


 平成7年秋季研究発表会(第89回)を去る11
月8日に当所の大会議室で開催致しました。
 発表プログラムは、
=情報通信系=  
1.ETS-VIIにおけるアンテナ結合機構実験について
 −結合機構とテレオペレーションシステムの地上
 検証試験−
2.ミリ波無線LANの実用化に向けて
  (1)ミリ波無線LANの開発動向
  (2)ミリ波帯における建築内装材の電気的特性
  (3)ミリ波帯準平面型アンテナの開発
=環境科学系=
3.雪上車搭載アイスレーダによる南極大陸氷床内
 部層の観測
4.スペースシャトル搭載合成開口レーダ
 (SIR-C/X-SAR)を用いた実験報告
 (1)レーダポラリメトリとその較正
 (2)海洋及び陸域の観測
5.地殻変動観測の高精度化に向けて
 −ピコ秒衛星レーザ測距システムの研究開発−
=材料物性系=
6.超高速光スイッチ作用を用いたテラヘルツ電磁
 波の発生 
=情報通信系=
7.通信総合研究所における情報通信基盤技術の研
 究開発計画について
の10件で、本所に於ける各種研究成果、特にミリ波
無線LANのこれまでの成果、及び情報通信基盤技術の
研究開発計画等の発表で、多彩な内容でした。
 当日は所外から225名の方が御来聴され、活発に意
見を交換して戴きました。ホワイエでは発表関連の
展示が有り、また、今回、発表の際にコンピュータ
の映像を映写し、動画、及び音声の再生などを用い
た発表が有り、好評の内に幕を閉じました。


    過去12年間の来聴者数

来聴者からのアンケートから(主な意見)
(1)プログラム別
(1 ETS-VIIにおけるアンテナ結合機構実験)
・今後のCRLのロボット研究に期待します。
(2 ミリ波無線LANの実用化に向けて)
・ミリ波の利用は今後極めて大事なことと思います。
研究が早期に進展することを期待します。特にコン
セプトを明確にするためには、技術基盤の確立の度
合に左右されると思いますので、幅広い研究への取
組みが重要と考えます。
・オフィスの現場では高速の無線LANの登場が待たれ
ている。一刻も早く実用化して欲しい。
・無線LANでは基礎研究よりもっとシステムイメージ
を優先させ、それに基づく研究をした方がよいので
はないか。
・無線LANの動向に関し、外国の事情も聞きたかった。
・ミリ波無線LANは世界標準を目指すようなターゲッ
ト設定と相互接続性を重視するリファレンスの母体
となる活動も視野に入れていただくことを希望しま
す。
・ミリ波LANのシステム選定は、できるだけ早く方向
付けをした方が良い(2〜3年では遅い)。
・ミリ波LANはオフィスのマルチメディア化に重要な
伝送手段であると考えています。コストを念頭にお
いたデバイスシステムの方向をこれから示してもら
いたい。
(4 スペースシャトル搭載合成開口レーダ(SIR-C
/X-SAR)を用いた実験報告)
・合成開口レーダによる取得データから解析するア
ルゴリズムに今後の期待がかかっていると思う。
(7 通信総合研究所における情報通信基盤技術の
研究開発計画について)
・マルチメディア情報通信センターは相互接続、相
互運用のテストベッド供給元であってほしい。日本
発信のTCP/IP、UNIXをつくる母体であってほしい。
・情報通信の研究はパイプを作るものだと理解して
いますが、パイプに流す水(情報)の内容について
のソフト側との交流も必要ではないか。

(2)全体の感想
・全体として良くまとまっている。プレゼンテーシ
ョンが格段に進歩。
・図やグラフを用いたものが多く、判りやすい面も
あった。グラフに関しては現状のものとの比較を重
ねて示して欲しい。
・動画スライドの活用はよかった。
・研究はよくやっておられますが、発表には一工夫
が必要です。研究の位置づけ、背景、成果の用途、
さらに他の機関との差別等、幅広い捉え方に欠けて
おります。特に発表者は元気良くスピーチすること
が大事。
・もう少し細かく説明が欲しい。時間が短かすぎる
(各1時間は必要)。
・地道にデータを集めることにより行う研究・独自
のアイディアや考察を具体化していく研究など通信
総研の研究分野の幅広さを感じました。
・LANから衛星にわたる広範囲に研究されている点で
電波応用の基礎研究センターとしてたのもしく感じ
ております。質疑の内容として大学の先生方からア
プリケーションのターゲットの明確化に関するもの
がありましたが、私見として広範囲な基礎研究の積
み上げも重要と考えます。
・以前に比べて発表が平易になってきましたという
感じがします。この方向はよいことだと思います。
また研究レベルは世界的に見てどうかとか、波及効
果は何かなどがさらに述べられるとよいと思います。
・民間では出来ない、長期に渡る研究も入れて下さ
い。
・COEを目指し、活躍をお祈りいたします。
・マルチメディア社会のリーディング研究所として
大きく発展することを望む。
・異業種を越えた連携を実現されることを官庁に期
待。
          (企画部企画課 成果管理係)