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![]() 独立行政法人では、中期目標、中期計画を策定し、これに対して研究費(運用費)を頂くことになっています。中期計画は5ヶ年となっていますので、最初の5年間の研究活動成果が、次の5年間の研究費獲得に大きな影響を与えます。研究の性格、研究分野、研究費のサイズあるいは研究進捗のレベル等により、中期計画作成の難易・具体性に大きな差異が生じます。プロジェクト指向の研究開発では、比較的研究計画が立て易く、逆にプロジェクト指向でない探索型の研究では、具体的な研究計画を立て難いことがあります。前者の場合、研究計画がしっかりしていなければ、計画を100%達成しても大きなインパクトがない場合があり、このため研究計画の事前評価が大変重要です。また後者の場合、事前評価をすることがしばしば難しく、担当する研究者のポテンシャルに依拠して任せてしまい、研究結果によって判断(事後評価)することが大切と考えます。 ![]() 現在、当所で作成している研究調査計画書は、比較的長い期間を想定して研究概要や研究目的が掲げてあります。今後は、これを5年で区切って具体的に達成可能な目的・目標にする必要があります。これと合わせて研究者各個人が研究計画を持ち、また研究の進捗に合わせて研究計画を改定し、常に最新の研究計画を持っておくことが大切です。このようにすれば、前と比較して、計画の進展を外部に説明することも容易になります。 ![]() 平成8年度に続いて、平成11年度には2回目の外部評価を導入したいと考えます。独立行政法人化後の府省による評価に耐えるには、独自に研究計画の事前・事後評価を恒常的に実施できる体質にすることが大切です。研究評価はややもすると受身の感じを与えますが、次の飛躍を確実にする手段として、積極的に活用すべきです。前回の外部評価では研究分野ごとの大括りの評価を実施しましたが、中期計画では各研究計画が評価の対象となるはずですから、今回はプロジェクト毎の評価を実施することが必要です。また、必要に応じてピアレビューの導入を検討したいと考えています。 ![]() 研究組織の改変については、独立行政法人化を進める中で、当然俎上に登って来ます。研究推進体制を現在のような研究部・研究室からなるピラミッド型にするか、研究プロジェクトが横並びのフラット型にするか、あるいはこれらの中間形態にするか検討する必要があろうと考えます。 ![]() これから進む独立行政法人は、これまでの国立試験研究機関と異なって、より企業の研究所に近いシステムです。このため、企業や大学との共同研究の推進において、これらの組織と異なった余分な制約や・運営上の齟齬・難しさが在ってはなりません。特に共同研究の推進において、研究計画・方針・結果についてのプライオリティが確保されるまでは、これらについて共同研究者の間で守秘義務が生じるのは当然のことであり、これを守らないと共同研究の相手として扱われなくなることを肝に銘じておくべきです。また、特許や研究情報などの知的所有権の尊重・保護も当然のマナーであり、権利の上に立った活用も大切な分野です。こうしたことを視野に入れた研究活動の推進・運営に習熟することが重要です。 |
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鹿児島県揖宿郡山川町は九州薩摩半島の南端部に位置し、豊かな温泉郷と景勝地に恵まれた観光地として全国に知られています。その中心となるのは九州一の深さと広さを持つ池田湖と薩摩富士で知られる開聞岳です。山川電波観測所はその山川町の端にあり、人工的な電波雑音の少ない田園の静かな所です。地方電波観測所のほとんどは市内から離れた場所にありますが、特に山川電波観測所は空港に出るまでの所要時間が約2.5時間もかかるのでいかにも市内から奥深く入り込んでいる感じですがそれだけ自然の多い場所でもあります。 |
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