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浜口 清 | ||||||||||||||||
はじめに | ||||||||||||||||
JPEG画像伝送実験
この対策として、受信した反射波を受信機内で打ち消す技術(適応等化技術)を実験装置に搭載し、甲府盆地において野外実験を行ったところ、適応等化技術によるビット誤り率(デジタルの1を0に、または0を1に誤る確率)の低減効果が顕著であることを確認しました。また、音声とデジタル信号を相互に変換する集積回路(音声コーデック)を用いて音声伝送実験を実施しましたところ、ビット誤り率が3%程度であっても音声通信が十分可能であることを明らかにしました。また、これら新規システムの置き換えの過程では、一時的に従来システム(狭帯域FM)と混在することになりますので、新旧システムの間において相互に干渉を与える実験を行って、周波数の共用条件(同時使用するための条件)を明らかにしました。 さらに今回、デジタル・ナロー通信方式を用いたJPEG画像伝送実験を実施し、野外における実用レベルでの静止画像の伝送に初めて成功しました。なお、JPEGとはITU(国際電気通信連合)とISO(国際標準化機構)で定めたカラー静止画像の圧縮、展開を決める規格であり、圧縮率が高いわりに画質の低下が少ない特長から、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータなどでの画像データ保存形式として一般的に使用されています。
この実験に用いたシステムの特徴は、伝送の誤りを極力少なくし、かつ短い時間でデータ伝送を行うために、伝送効率の優れた再送訂正方式(タイプIIハイブリッドARQ方式)を導入したことにあります。ここで用いた再送訂正方式では、通常は情報データを送信し、誤りが検出された場合のみ誤り訂正のためのデータを再送する方式です。例えば、図1では移動局から静止画像データを符号化して基地局に送信します。基地局では、受信したデータの誤り判定を行い、誤りがあった場合、移動局に再送を要求します。以上の手順を繰り返すことにより、高品質な(誤りがほとんど生じない)静止画像のデータ伝送を行うことができます。この方式の特長は、情報データと誤り訂正のためのデータを分けて送信することにより、同時に送信する他の方式と比較して、回線状態が劣化した場合における再送回数を減少できることにあります。伝送効率が高いことから、伝送帯域に制限のあるデジタル・ナロー通信方式に特に適しています。 写真2に、実験に用いた装置とアンテナの外観(左側:基地局装置、右側:移動局装置)、表1にこの装置の主要諸元を示します。 | ||||||||||||||||
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電波の有効利用に向けて (第四研究チーム) | ||||||||||||||||
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