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UDPパケットロス率の測定結果を示す。図2のTDMAフレーム構成において全スロットに連続的に通信信号を割り当てたフルスロット割当とデータスロット列を9スロット列ずつ半分に分けてTDMA通信信号を割り当てたハーフスロット割当の場合の結果である。ケース(a)は、フルスロット割当におけるTDMAでない連続波動作で片方向100、400及び622Mbit/sでパケットロス率0%を実現した。ケース(b)は、双方向で、ハーフスロット列で割り当てた場合において、相互に100、200及び300 Mbit/sのパケットロス率0%の伝送を実現した。表6は、TCPに対するiperfの試験結果を示す。図9は、パケットロス率0%のTCPスループットの時間変化を示す。図10は、パケットロス率0.002%程度の場合のTCPスループットの時間変化を示す。図9において、hyblaの方がrenoより、最大帯域幅に達する立ち上がりが早く、ウィンドウサイズを大きくした場合は、更に立ち上がりが早い。図10において、パケットロスが存在する場合では、renoは、時間が経過に対して帯域幅が低いが、hybraは、変動はあるが帯域幅は、上昇する。パケットロスがない場合、ウィンドウサイズが64MBと128MBに対してhyblaとrenoともに250~290 Mbit/sの帯域幅を達成している。パケットロス率0.002%程度の場合は、hyblaでは、200~260Mbit/sの帯域幅を達成するが、renoでは、6~36Mbit/sと低いスループットにとどまっている。hybla はrenoに比べて、パケットロスが発生しても早くウィンドウサイズを増加させ、高遅延環境下で高い性能を持っている。(3)3地球局間TDMA通信実験SDR-VSAT2を開発し、3地球局間TDMA通信実験を実施できる構成を構築した。図11は、3地球局間TDMA通信実験の構成を示す。衛星回線を十分良い条件下で(ビット誤りが発⽣しない条件下で)実験を実施した。各地球局のモデムのLANポートにPCを接続し、PC間でiperf試験を実施した。図12は、3地球局間TDMA通信実験のTDMAスロット割当を示す。PC1台に対して、片方向3スロット列で100 Mbit/s、双方向6スロット列200 Mbit/sで通信する。表7は、UDPに対するiperfの試験結果を示す。6系図10 TCPスループットの時間変化(パケットロス率0.002%程度)050100150200250300050100150200250300Bandwidth (Mbps)Time (sec)図9 TCPスループットの時間変化(パケットロス率0%)050100150200250300020406080100Bandwidth (Mbps)Time (sec)hybla-64Mbyteshybla-124Mbytesreno-64Mbytesreno-128Mbytes表5 ハーフバンド UDP iperf 試験(a) Iperf 試験 (フルスロット割当. 片方向) Eb/N0100Mbit/s400Mbit/s622Mbit/sSDR-VSAT1⇒LET (Upper Band)14.9 dBLoss 0%Loss 0%Loss 0%SDR-VSAT⇒LET (Lower Band)15.1 dBLoss 0%Loss 0%Loss 0%(b) Iperf 試験 (ハーフスロット割当. TDMA) Eb/N0100Mbit/s200Mbit/s300Mbit/sSDR-VSAT1⇒LET (Upper Band)17.1 dBLoss 0%Loss 0%Loss 0%LET⇒SDR-VSAT1 (Upper Band)13.8 dBLoss 0%Loss 0%Loss 0%表6 ハーフバンド TCP iperf 試験 時間(sec)ウインドウサイズ(Mbytes)帯域(Mbit/s)プロトコルLET⇒SDR-VSAT130164256hybla 302128293hybla 30264257reno 301128261renoSDR-VSAT1⇒LET30164200hybla(UDP パケットロス 約 0.002%に対して)30612857hybla3746436reno 4781286reno96 情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)3 超高速衛星通信技術
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