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ている。伝送路にひずみを生じさせる符号間干渉の影響を軽減するためのガードインターバルを考慮し、周波数間隔を57.14 MHz、全帯域幅(等価雑音帯域幅)を940 MHzとしている。単一搬送波の16APSK 750 Mbps信号では周波数帯域幅が広がり、地球局の通信装置や衛星回線、衛星中継器特性による群遅延の影響をキャンセルするため、イコライザ係数の調整等が必須であったが、OFDMでは、1波当たりの周波数帯域幅を狭くできるため、それらの影響を軽減することができた。4K超高精細映像WINDS衛星伝送実験図6にWINDS衛星伝送実験概念図を示す。衛星伝送実験では、地球局には2.4 mアンテナを有する大型車載地球局を用いWINDS衛星折り返し伝送実験を行っている。地球局送信側のFPGAでは、衛星への過剰な入力を防ぐため、CF(Clip and Filtering)によるデジタルクリッピング(9dB Back Off)している。地球局送信機の出力の飽和点が衛星への過剰な入力点よりも低いため、アナログ限界にも問題ない。図7は、WINDS衛星を介した受信スペクトラムを示す。図8は、復調部における16波それぞれのI/Qコンスタレーションを示す。中継器の振幅周波数特性の影響により3図2 16APSK/16QAM-OFDM 3.2 Gbps変復調装置の全体系統図表1 16APSK/16QAM-OFDM 3.2 Gbps変復調装置の諸元表図3 16APSK/16QAM-OFDM 3.2 Gbps試作ボード(左:変調器、右:復調器)3 超高速衛星通信技術102   情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)

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