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波ごとのEs/Noが異なるため、復調特性に差が見られるが、16波がすべて正常に復調されていることが分かる。この時の誤り訂正前のBERは6.12×10–3となった。これにLDPC誤り訂正によって準エラーフリー(BER <1.0×10–11)を達成した。図9は、Eb / Noが14.5 dBの場合の16APSKと16QAMのf12サブキャリアのI/Qコンスタレーションを示す。 16QAMは、エラー訂正前のBERが16APSKと比較して向上していることを確認した。図10は、良好なリンクバジェットの下で再測定された16APSK-OFDM及び16 QAM-OFDMのBER特性の測定結果を示す。16QAMの理論値からはかなりの劣化があるが、これはRF機器の振幅周波数特性、群遅延特性による劣化、アンプの非線形性、バックオフの不足が考えられる。グラフから同じBERを得るのに16QAM-OFDMは、16APSK-OFDMよりもEb/No値で約0.9 dBほど有利であることが分かる。4K超高精細映像非圧縮伝送実験では映像伝送コーデックとして、NICTが研究開発した「マルチチャネル映像伝送コーデック」[11]を使用した。このコーデックはすべてソフトウェアベースで構成され、マルチコアPC上で超高速、マルチチャネルの並列処理を実現したものである。今回は情報量として、画素数をそのままにして色差成分を間引く方法により、4/9倍(YUV611)の情報転送レート約2.65 Gbpsとしている。4チャンネルの映像(ハイビジョン映像×4枚)の同時同期伝送を行うことにより4K超高精細非圧縮映像のUDP/IP伝送を行い、パケットロスが発生しないことを確認した。図11にWINDS衛星折り返し後の4K超高精細映像表示例を示す。図7 受信スペクトラム図8 16波16APSK-OFDM I/Qコンスタレーション16APSK-OFDM(BER=9.82×10–3)16QAM-OFDM(BER=8.30×10–3)図9 f12 I/Qコンスタレーション比較(Eb/No=14.5[dB])3 超高速衛星通信技術104 情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)
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