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(MOM)は3GPPに規定されていない構成要素であり、新たに定義した。MOMはマイクロセル通信事業者が運用する機器である想定とする。MOMの機能は、マイクロセル通信事業者が運用するマイクロセルの運用情報をCBE に通知することである。運用情報とは、後述するように、周波数、チャネル番号、位置などのパラメータである。運用情報は、マイクロセルごとに異なることが前提である。運用情報は、CBEとCBCを介してセルラー通信事業者のeNodeBから端末にブロードキャストされ、端末はその情報に基づいてマイクロセル通信事業者とそのセルを選択して接続する[10]。CBSは、Cell Broadcast Centre(CBC)とCell Broad-cast Entity(CBE)により実現される。利用例としては、3GPPで規定されたEarthquake and Tsunami Warn-ing System (ETWS) [11][12] を用いた緊急地震速報が挙げられる。この場合、例えば気象庁などの地震情報配信サーバがCBEにあたり、通信事業者内の情報配信サーバがCBCにあたる。CBCは、CBEから提供された情報を、MMEを通じて対象とするeNodeBのセルから配信するように指示する。対象のセルは、eNodeB配下のセル識別子であるCell ID、端末の位置登録の単位であるTracking Area Identifier(TAI)、通信事業者が任意に定義可能なエリアであるEmergency Area(EA)などにより指定可能する。3.2システムアーキテクチャと制御情報図4に提案するシステムアーキテクチャを示す。セルラー通信事業者はHome Subscriber Server(HSS)、Mobility Management Entity(MME)、Packet Data Network Gateway(PGW)、Serving Gateway(SGW)、eNodeB、CBC から構成される。これらはいずれも3GPPにおいて規定された構成要素である。一方、マイクロセル通信事業者はMME、PGW、SGW、eNodeB、MOMから構成される。前述したように、MOMは新たに定義したものである。 マイクロセル通信事業者における端末の認証は2つの場合を想定し、その内部で認証を行う場合と、セルラー通信事業者に認証を転送する場合がある。そのため、マイクロセル通信事業者は内部にHSSを運用すると同時に、セルラー通信事業者のHSSとも接続をする。端末の認証を内部と外部のHSSのうちどちらで行うかは、MMEが持つUSIM IDと通信事業者IDの対応表に基づき判断する。その判断の結果、認証はいずれかのHSSに振り分けられる。なお、接続するHSSは必ずしも単一のセルラー通信事業者だけではなく、複数のセルラー通信事業者となる場合もある。 3.3プロトタイプの試作と機能評価図4に示したシステムアーキテクチャを試作したプロトタイプを図5に示す。このプロトタイプシステムでは、セルラー通信事業者とマイクロセル通信事業者をそれぞれ1つずつ模擬したネットワークを構築した。図4 Cell Broadcast Serviceを利用してマイクロセルの運用情報を配信するシステムアーキテクチャ]]]UECBE: CellBroadcastEntity: CellBroadcastCentreCBCInterneteNodeBMMESGWPGWHSSS1-MMES1-US11S6aS5GTPeNodeBMMESGWPGWS1-MMES1-US11S6aS5GTPマイクロセル通信事業者SGiSGiCBECBCセルラー通信事業者SBcLTE-UuMOM: Microcell Operator ManagerMOMHSSS6a72-1 柔軟なアーキテクチャと周波数共用を実現する次世代移動通信システムに向けた研究開発
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