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期機能を評価した結果を以下で示す。2.2MMT信号と実験の構成MMTによる同期の仕組みを図1に示す。送信側では、伝送遅延と処理遅延を考慮した提示時刻タイムスタンプ(PTS)を付加して伝送する。受信側では、NTPサーバより取得した協定世界時(UTC)とPTSの時刻を比較して映像を表示することで同期をとっている。WINDS衛星による実験の構成を図2に示す。実験の検証目的は異なる回線から受けた2番組の時刻同期であるため、大型固定局(LET)と車載局(VSAT)の2系統のアップリンク設備を利用した。LET側に4K信号を、VSAT側に2K信号を同時に送信し、WINDS衛星を経由し、LETアンテナで2波を受信した。またLETからアップリンクされる変調波信号の中心周波数は28.07 GHz、VSATは28.03 GHzとし、チャンネル間隔を40 MHzとした。また対応するダウンリンクの2波の中心周波数は、それぞれ18.27 GHz、18.23 GHzとなり、LET及びVSATのアンテナ外観を図3に、1 GHz帯IF受信スペクトラムを図4に示す。2.3伝送性能結果(物理層)WINDS衛星折返し[LET-WINDS-LET及びVSAT-WINDS-LET]におけるC/N対BER特性を図5に示す。変調方式は16APSK(3/4)、16APSK(7/9)、32APSK(3/4)で評価した。まずLETとVSATを所要C/N(@1E-11)で比較すると、VSATのときの方が0.2~0.5 dB程度劣化した。次にIF折返しとWINDS衛星折返し[VSAT-WINDS-図2 WINDS衛星伝送実験の構成(ISDB-S3)MMTStreamerISDB-S3送信装置#1ISDB-S3送信装置#2ISDB-S3受信装置#1ISDB-S3受信装置#1LETVSATLETMMT(4K HEVC)MMT(2K HEVC)3-GHz IF3-GHz IF3-GHz IF4K HEVC2K HEVC2KDisplay28.03-GHz18.27-GHz1-GHz IFMMT(4K HEVC)MMT(2K HEVC)SpectrumAnalyzerWINDS周波数変換分配器Noise TestBERcounterMMT受信装置#1MMT受信装置#228.07-GHz周波数変換周波数変換140-MHz140-MHz18.23-GHzVSAT lineLET line4KDisplay同期可変遅延図1 同期の仕組みVSATUTC時刻UTC時刻UTC時刻主映像伝送遅延Δtd1主映像副映像伝送遅延Δtd2処理遅延Δtp1副映像処理遅延Δtp2PTS =Ts+ΔtoffsetPTS = Ts+Δtoffset時刻Tsに送信時刻Ts+Δtoffsetに提示時刻Ts+Δtoffsetに提示Δtoffsetバッファ時間(Δtoffset-Δtd2-Δtp2)受信端末1MMT送信装置受信端末2TsTsTsLET(Δtoffset-Δtd1-Δtp1)バッファ時間3 超高速衛星通信技術108 情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)
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