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素子相対振幅:√ (1)素子相対位相:tann (2)試験結果5.1受信波形一例として、2017/2/6に実施したREVデータの受信結果を示す。本REVデータは、REVの更新周期である80 msごとに2048点 (40 ms区間で1024点) の受信レベルをリアルタイム・スペクトラム・アナライザで取得し、40 ms区間ごとに平均化してグラフ化したものであり、結果を図8~11に示す。各図はそれぞれアンテナRX-1、RX-2、TX-1及びTX-2である。図において受信レベルの最初の部分は、REV無しの連続波、これに続くREV区間が128素子分あり、最後にREV無しの連続波で終了している。REV区間の波形は余弦関数をしており、これは各素子が正常に動作していることを示している。なお、余弦関数の波形は、REV時の各素子の初期位相を故意にランダム化しているため同一ではない。これは、アンテナのピーク利得を下げて、REV時の素子のレベル変化を相対的に大きくするためである。なお、受信系に対して送信系のレベル変化が小さいが、これは初期位相の設定に起因している。5.2振幅・位相の評価REV波形から算出した、各アンテナの放射素子の相対振幅と相対位相を図12~19に示す。各図はアンテナRX-1、RX-2、TX-1及びTX-2の結果であり、2008/10/9と2017/2/6の結果をそれぞれ系列1と系列2に示す。系列1と系列2の結果はほぼ一致していることから、WINDS APAAは約8年半の運用を経過しても各アンテナ素子は正常に機能していると判断できる。WINDS APAAのREVは2008/10/9から2017/2/6までに合計19回実施した。REV結果において、代表的なアンテナRX-1の素子番号1及びアンテナTX-1の素子番号1の相対振幅及び相対位相の評価結果の時系列を図20~23に示す。時系列結果によるとアンテナRX-1の素子番号1の振幅変動は3.7 dBp-p、位相変動は25.9°p-p及びアンテナTX-1の素子番号1の振幅変動は4.1 dBp-p、位相変動は23.2°p-p、であった。この結果、振幅変動幅及び位相変動幅はやや大きいが、変化は進行していないと判断できる。また、その他の素子についても同様の結果であった。5115.00116.00117.00118.00119.00120.00121.00122.00123.00124.00125.000100200300400500相対受信電力(dB)測定点RX-1(偽データ)トランジェント位相REV開始前REV1回目REV2回目REV3回目2010/3/31図6 データ処理結果例(偽データセット)115.00116.00117.00118.00119.00120.00121.00122.00123.00124.00125.000100200300400500相対受信電力(dB)測定点RX-1(真データ)2010/3/31トランジェント位相REV開始前REV1回目REV2回目REV3回目図5 データ処理結果例(真データセット)70075080085090095010000.0056.25112.50168.75225.00281.25337.50相対電⼒(真数)素子回転位相(deg)RX-1-素子1測定値最小二乗法図7 データ処理結果例118   情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)3 超高速衛星通信技術

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