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・異なる事業者が運用するセルであっても必要に応じて上位層で統合して通信する機能現在、上記の機能を満たすシステムを提案し、試作装置を用いて動作を検証しているところである [13] 。まとめ本稿は、5G時代の移動通信システムでは、広くエリア展開するセルラー通信事業者に加え、利用シナリオに応じて特定の通信性能に特化してきめ細かく柔軟にエリア展開が可能なマイクロセル通信事業者が相互に協調してインフラを構築する必要性を説明した。そして、そのための提案方式をプロトタイプにより評価した。また、より広い周波数帯の利用が想定される中、国際ローミングにおける問題点を指摘し、今後の研究開発の必要性を示した。 本稿で示した提案の一部は3GPP SA2等において提案を行っており、次世代の移動通信システムで実現されるように活動を継続していく予定である。謝辞本研究の成果は、総務省の委託研究開発「複数移動通信網の最適利用を実現する制御基盤技術に関する研究開発」及び「第5世代移動通信システムにおける無線アクセスシステムの相互接続機能に関する研究開発」によるものである。【参考文献【1“電波政策2020懇談会 報告書” 総務省 電波政策2020懇談会,2016年7月15日.2石津 健太郎,村上 誉,原田 博司, “市町村規模の最適無線選択制御を実証可能な広域コグニティブ無線テストベッドの構築,” 電子情報通信学会 ソフトウェア無線研究会, vol.110, no.153, pp.81–87, July 2010.3Kentaro Ishizu, Homare Murakami, and Hiroshi Harada, “Cognitive Wireless Network Infrastructure and Restoration Activities for The Earthquake Disaster,” WPMC 2011, Oct. 2011.4原田 博司,石津 健太郎,村上 誉, “情報インフラ混乱時におけるコグニティブ無線ルータの有効活用,” 電子情報通信学会 学会誌, 95巻3頁, pp.207–212, 2012年3月.5Kentaro Ishizu, Homare Murakami, and Hiroshi Harada, "Lessons from The Earthquake through Restoration Activity of NICT for Network Infrastructure," IEEE R10-HTC2013, Aug. 2013.6K. Ishizu, H. Murakami, H. Harada, “Cognitive Wireless Router system by distributed management of heterogeneous wireless networks,” IEICE Transactions on Communications, vol.E93-B, no.12, pp.3311–3322, Dec. 2010.7石津 健太郎,村上 誉,フィリン スタニスラブ,原田 博司,宮本 剛,チャン ハグエン,加藤 修三, “【招待講演】IEEE P1900.4の動向とNICTの取り組み,” 電子情報通信学会 ソフトウェア無線研究会, vol.107, no.352, SR2007-58, pp.83–90, Nov. 2007.8村上 誉,フィリン スタニスラブ,石津 健太郎,宮本 剛,原田 博司, “ITU-R及びIEEE P1900.4におけるコグニティブ無線技術の標準化動向,”電子情報通信学会 ソフトウェア無線研究会, vol.109, no.442, pp.17–24, March 2010.9石津 健太郎,村上 誉,藍 洲,チャン ハグエン,原田 博司,“データベースと連携してTVホワイトスペースで運用可能な無線ネットワークシステム,” 信学技報, vol.112, no.55, SR2012-4, pp.23–30, 2012年5月.10石津 健太郎,村上 誉,伊深 和雄,児島 史秀, “第5世代移動通信システムに向けた複数の無線ネットワークの協調制御と周波数共用に関する研究開発,” 信学技報, vol.117, no.56, SR2017-7, pp.39–46, 2017年5月.113GPP TS29.168 V8.1.0, “Cell Broadcast Centre Interfaces with the Evolved Packet Core; Stage 3,” 2009.123GPP TS22.168 V8.1.0, “Earthquake and Tsunami Warning System (ETWS) requirements; Stage 1,” 2009.13伊深 和雄,村上 誉,石津 健太郎,児島 史秀, “[技術展示]次世代移動通信システムにおける国際ローミング時の複数ネットワーク同時利用を可能にするUSIM共用端末の試作,” 信学技報, vol.117, no.56, SR2017–11, pp.59–65, 2017年5月.5図6 ローミングにおける移動通信システムの課題マクロセル(事業者A)マクロセル(事業者B)マイクロセル(事業者B)マクロセル(事業者C)ストリートセル(事業者C)コアネットワーク(事業者B)コアネットワーク(事業者A)コアネットワーク(事業者C)X国(事業者D)のユーザがY国にローミングして利用ポリシサーバー端末の機能が以下のセルにしか対応していない・事業者Aのマクロセル・事業者Bのマイクロセル・事業者CのストリートセルY国X国事業者間相互接続網コアネットワーク(事業者D)コアネットワーク機能(EPC)92-1 柔軟なアーキテクチャと周波数共用を実現する次世代移動通信システムに向けた研究開発

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