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示す。図5に本実験で用いたネットワーク構成を示す。「航空機地球局」–「衛星」–「固定地球局(鹿島)」との間で衛星回線を結んだ。航空機は愛知県にある県営名古屋空港を発着として図6に示すWINDSマルチビームアンテナの中部ビームエリアの上空を飛行した。 飛行実験は(a)アンテナパターン測定: MBA中部ビームのアンテナパターン検証のための伝搬測定実験、(b)アンテナ追尾特性: アンテナ追尾特性取得のための8の字飛行及び機体を傾けての飛行実験、(c)データ伝送: 飛行時の通信速度測定実験、(d)大容量ファイル伝送: Pi-SAR[8]にて取得した画像データファイルの伝送実験、の4つを行った。実験結果(a)アンテナパターン測定図7にMBA中部ビームのアンテナパターン測定時の受信電力(飛行経路)を示す。高度5,300 mにおいて東から西へビーム中心を通るように飛行した。そのときの受信電力の時間変動を図8に示す。ビーム中心付近において受信電力はピークを記録し、受信電力が約−52 dBmとなる、ビーム中心より約172 km離れた地点で通信が途切れた。図9に横軸をビーム中心からの距離としたアンテナパターンの特性を示す。図中赤4図1 航空機地球局構成図GPS antennaHPAKa-band(27.5–28.6 GHz)アンテナアップコンバータダウンコンバータIFU-1IDU(モデム)IF(1.9–3.0 GHz)IF(1.38–2.58 GHz)機内の通信装置IRUIFU-2位置情報リファレンスバースト信号受信状況Ka-band(17.7–18.8 GHz)受信状況位置及び高度位置及び高度ACUアンテナ情報及び制御ACUログ記録PC衛星軌道情報同軸ケーブル制御ケーブルLANケーブルHPA : High Power Amplifier(高出力増幅部)IFU : Interface UnitIDU :In-door Unit(モデム)IRU : Inertial Reference Unit(慣性航法装置)ACU:Antenna Control Unit(アンテナ制御部)図2 航空機地球局アンテナ外観図3 実験に用いた航空機Gulfstream-II128   情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)3 超高速衛星通信技術

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