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北西方向を向いた時に通信状況が悪くなる環境であった。8の字移動時における衛星追尾のアンテナ動作状況を確認するため、AZとELの動作をそれぞれ図9と図10に示す。また衛星からのBeacon C/N0受信レベルを図11に示す。図7に示す船舶上の構造物による遮蔽時を除き、図9と図10のアンテナ動作状況から船舶が大きく移動しても、図11に示すBeacon信号の受信状態は安定していたことからアンテナが衛星を正確に追尾していたことを確認した。WINDS船舶用地球局の追尾精度は±0.2°以内に設定しており、±0.2°以上の誤差が発生すると、インターロック機能が働き、電波の発射を停止するようになっている。図11に追尾精度も示す。この結果より、8の字移動中、追尾精度が±0.2°以内となっていたことからアンテナの追尾制御が船舶の移動に対して十分であったことを確認した。また遮蔽物により、衛星からのBeacon信号を受信できなくなった場合、遮蔽物がなくなると直ぐに衛星を再捕捉し、追尾を始めているこ図9 8の字航行時のアンテナAZ動作状況 AZ [degree] 時間[sec] 図11 8の字移動時の追尾精度 時間[sec] 追尾精度 [degree] Beacon C/N0 [dB-Hz] Beacon C/N0追尾精度 図8 船上遮蔽エリアの確認 AZ [degree] Beacon C/N0 [dB-Hz] Beacon C/N0 AZ 27°時間[sec] 遮蔽 遮蔽図12 8の字移動時のTCP通信状況 時間[sec] スループット [kbps] Beacon C/N0 [dB-Hz] Beacon C/N0TCPスループット図10 8の字航行時のアンテナEL動作状況 EL [degree] 時間[sec] 図13 WINDS向け輻輳制御によるTCP通信状況 時間[sec] スループット [kbps] 142 情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)3 超高速衛星通信技術
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