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め、高知においては両ビームにおいて測定を行った。4.2測定結果各測定における回線マージンを測定するため、まず衛星のアンテナ利得を算出した。衛星のアンテナ利得は照射点と照射領域のみ公表[1]されているが、個別の地点での利得は明らかになっていない。そこで、衛星から見た照射点と測定地点方向のAzとElを計算し、この2点間の離角を計算により求めた。次にアンテナビームの中心付近の形状は3 dBビーム幅を用いた軸対称の放物線で近似できることから、これを用いて中心からの利得低下量を計算し、照射点利得と利得低下量から各測定地点におけるアンテナ利得を求めた。回線マージンは上記で求めたアンテナ利得を用いて、各パラメータより回線設計を行った。表2に各測定地点におけるアップリンク及びダウンリンクの回線マージンの測定結果を示す。表中プラスマージンとなったところは赤字で示しているが、24 Mbpsモードにおいて実測値はすべての地点においてプラスマージンとなり、実測値は予測値に比べアップリンクでは平均2.5dB、ダウンリンクでは平均5.8 dB高かった。高知においては中四国ビーム(高知1)、近畿ビーム(高知2)と2ビームにおいて測定を行った。マージンの予測値と実測値の偏差が高知1と高知2において逆転していること、足摺岬における偏差が大きいことから中四国ビームのビーム中心は南西にずれていることが想定される。なお、文献[7]の初期チェックアウトの結果からも南西へのずれが報告されているが、その観測点鳥取(餘部)天橋立京丹後若狭(三方五湖)福井京丹後福井金沢輪島(千枚田)富山使用ビーム近畿ビーム中部ビームビーム中心と観測点離角[deg]0.16140.1610.18080.21850.28990.32730.23520.15980.23520.1435アップリンク観測点アンテナ利得[dBi]45.845.844.943.238.637.746.947.744.148.2回線マージン[dB](予測値)4.714.823.92.22-2.4-3.255.956.763.157.24回線マージン[dB](実測値)4.94.161.5-0.8-0.175.22.28.4偏差(実測値-予測値)0.19-0.722.1-0.721.63.151.05-1.56-0.951.16ダウンリンク観測点アンテナ利得[dBi]46.846.846.445.643.842.24646.344.846.6回線マージン[dB](予測値)7.027.637.26.444.63.16.97.215.77.5回線マージン[dB](実測値)11.4118.69.95.32.97.4107.77.1偏差(実測値-予測値)4.383.371.43.460.7-0.20.52.792-0.4観測点四国中央別府別府日向宮崎鹿屋山川いちき串木野出水使用ビーム中四国ビーム九州ビームビーム中心と観測点離角[deg]0.19830.16350.2590.20440.15970.12620.13390.06940.0143アップリンク観測点アンテナ利得[dBi]45.44740.743.845.746.946.648.248.8回線マージン[dB](予測値)4.466.06-0.22.914.826.025.737.327.91回線マージン[dB](実測値)5.86.80.33.15.85.77.29.39.3偏差(実測値-予測値)1.340.740.50.190.98-0.321.471.981.39ダウンリンク観測点アンテナ利得[dBi]45.44644.445.746.54746.947.647.8回線マージン[dB](予測値)6.346.945.346.667.477.977.878.568.76回線マージン[dB](実測値)8.79.378.49.710.611.411.812.1偏差(実測値-予測値)2.362.361.661.742.232.633.533.243.34表4 回線マージン測定結果(西日本日本海沿岸エリア)表3 回線マージン測定結果(九州エリア)1513-11 陸上移動通信実験報告

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