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S: ./hperf client -bs -i -ss -mt -sb -cpu -crc -o R: ./hperf server -bs -cpu -crc -i -o -mtオプションはHpFPの目標スループットである。により目標値を設定する。これまでの研究[8]により、静止軌道衛星通信を想定した遅延環境においてはパケットロス率1%程度までであればHpFPは10 Gbpsのスループットを達成できることがわかっている。新しいHpFP機能では、-crcオプションにより巡回冗長検査(CRC)を行う。引数において、何パケットごとにエラーチェックを行うかを決める。なおhperfの出力はファイルに保存される。次節以降では、この出力ログを解析する。本稿のWINDS実験では、sysctlコマンドを使用してカーネルパラメータを設定し、バッファサイズ設定によるボトルネックを回避する。以下は、カーネルパラメータ設定値である。net.core.somaxconn = 512net.ipv4.tcp mem = 1073741824 1073741824 1073741824net.ipv4.tcp wmem = 4096 16777216 1073741824net.ipv4.tcp rmem = 4096 16777216 1073741824net.ipv4.udp mem = 1073741824 1073741824 1073741824net.core.wmem default = 16777216net.core.rmem default = 16777216net.core.wmem max = 1073741824net.core.rmem max = 1073741824net.core.optmem max = 16777216WINDS 衛星実験4.1実験環境と予備実験本節では、ベントパイプ中継方式のWINDS衛星通信においてhperfによりCRC機能を実装した通信環境をモニタリングし、障害発生の現象確認を行う。実験システムの概要図は図2と同じである。本研究では、将来の実用化を想定して戻り回線の遅延量を静止軌道衛星の250ミリ秒に固定している。また、HpFPの目標スループットは10 Mbpsとした。図5は実験時の大型車載局の様子である。実験は2016年12月に岐阜県中津川市で行ったが、本稿で議論する実験時間帯は常時曇天(一時的に雨天)であり、雲が途切れること4図4WINDS衛星実験における計測スループット:(a)戻り回線の遅延が0ミリ秒の場合のシングルコネクションでのスループット(コネクションあたりの目標スループットは1.0 Gbps、1.6 Gbps及び1.7 Gbps)、(b) 戻り回線の遅延量が0ミリ秒、250ミリ秒及び4,000ミリ秒の場合の2重コネクションでのスループット(コネクションあたりの目標スループットは1.4 Gbps)(b) 戻り回線の遅延量が0ミリ秒、250ミリ秒及び4,000ミリ秒の場合の多重(50)コネクションでのスループット(コネクションあたりの目標スループットは54 Mbps)(a)(b)(c)156   情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)3 超高速衛星通信技術

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