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がなかった。図6は、ひまわりリアルタイムWeb[9]の実験当日の雲の様子であり、中津川付近が雲で覆われていることがわかる。まず予備実験として、通信回線品質を過去の実験[1][2]と同様に狭帯域hperf(目標スループット10Mbps)を伝送しながらの4K映像伝送(送信スループット2.6Gbps)で確認したところ、受信映像にノイズが多くみられ(図7)、通信回線品質の低下を確認した。受信側でdstatコマンドでパケットをカウントしたところ受信スループットはおおむね1.3 Gbpsであったため、パケットロス率は全体で50%程度であったと考えられる。図8に予備実験での500ミリ秒ごとのhperfのログ出力結果を示す。図8(a)はhperfのスループット値の時間変化であり、Actual Throughputが受信側で計測した実効的なスループットを示している(本研究では、他のスループットは議論の対象としない)。図8(b)はパケットロス率(PLR)と遅延量(RTT)の時間変化である。図8(a)においてスループットの実測値は10 Mbpsを大きく下回り、図8(b)においてパケットロスは最大で60%以上発生していることがわかる。この結果は、図4の結果と大きく異なり、通信障害が原因であると予想される。4.2においてこの原因を調べるため、-crcオプションを設定することでビットエラーについて調査を行う。4.2実験結果4.2.1通信障害非発生時図9に4の実験のタイムスケジュールを示す。緑色は通信障害が発生しなかった場合(4.2.1、4.4で議論)、青色は通信障害が発生した場合(4.2.2で議論)図52016年12月のWINDS衛星通信実験(岐阜県中津川)の様子:実験中おおむね曇天または雨天であった図6ひまわりリアルタイムWebの実験当日(2016年12月27日)の雲の様子中津川(Nakatsugawa)図7 WINDS衛星による4K映像伝送試験(画面上にノイズが確認できる)図8予備実験結果:(a)スループット、(b)パケットロス率(PLR)と遅延量(RTT)(a)(b)1573-12 HpFPプロトコルによるWINDS衛星の回線品質検査

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