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2mの同じ高さに設定し、送信信号を垂直偏波とした場合の伝搬損失特性を示している。また、図には比較参考値として次式で求められる自由空間損失(パスロス係数n=2の場合)の理論値も示した。dB][log100100ddnLPL(1)dB][8log20100fL(2)ただし、参照距離はd0=10 (m)とし、周波数の単位はf (MHz)としている。伝搬損失の測定結果に対して、参照距離をd0 = 10として、最小二乗法によりパスロス係数を求めると、アンテナ高2 mの場合にn = 1.52、 1 mの場合にはn = 1.13と推定された。この結果アンテナ高が低いほどパスロス係数が小さくなることが明らかとなった。この他、偏波が異なる場合や変調信号による遅延波測定等も行い、その結果を基に伝搬損失モデル及び遅延スプレッドの解析結果をITU-R SG3 WP3Kに提案した。2.2市街地ミリ波移動通信のための伝搬特性[3]ミリ波帯(24.25–86 GHz)のIMT周波数追加特定がWRC-19議題1.13で審議される予定であり、新たな周波数の特定には共用検討が必用なため、伝搬モデルの開発が必要となっている。本節では、追加周波数として検討されている各ミリ波帯候補周波数について、伝搬特性を明確にするために行った市街地環境での測定結果例について述べる。測定項目として、①回線設計や干渉評価に必要となる伝搬損失モデルを開発することを目的とした伝搬損失測定と、②無線装置の物理層仕様を検討するのに有図3 90 GHz帯伝搬損失特性(垂直偏波で測定)(Copyright(C)2017 IEICE, [2] Fig. 5)105010050090100110120130Distance (m)Path loss (dB) Free space Antenna height 2m Antenna height 1m図2 90 GHz帯伝搬測定システム(Copyright(C)2017 IEICE, [2] Fig. 4)AWGSGUP-conv.LOOscilloscopePCDown-conv.LO~500mANTANTTX side (MS)RX side (BS)図4 送信基地局(左)建物外観 (右)送信アンテナ(Copyright(C)2017 IEICE, [3] Fig.4)TX ANTBS図5 受信移動局(上)受信アンテナ(下)移動局測定車内(Copyright(C)2017 IEICE, [3] Fig. 8)MSRX ANT図6 移動局の測定ルート(Copyright(C)2017 IEICE, [3] Fig. 9)BSLoSNLoS18 情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)2 地上通信技術の研究開発
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