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3.3農業分野への適用実証本節では農業分野への適用実証として、圃場の水管理業務における、省電力無線機を用いた遠隔センシング及び遠隔制御について述べる。本実証では圃場の水位センシングを想定した水位センサのほか、制御の対象となるポンプ、バルブ、さらに農業業務にて制御機器として用いられる場合があるPLC(Programmable Logic Controller)のそれぞれに対して、省電力無線機を接続し、無線通信を介して、省電力センシングと、低遅延の制御を両立し、PAN全体で適切に省電力動作を実現する形態を成功裏に運用した。図10に、実験棟内部の実験用圃場にて行われた本実証を示す。なお、今後、屋外の実際の圃場への拡張実証を予定している。あとがき本稿では、ワイヤレスグリッド構造の一動作形態として、特に省電力動作に関する研究開発について述べた。省電力マルチホップ通信形態の実装について検討した結果、理論上では単三型乾電池3本程度の電池容量で、10年以上の動作が可能であることがわかった。さらに、省電力無線機を開発し、本無線機の活用事例として、もずく養殖場における定期的な水温・塩分濃度センシングを行った。続いて、農業分野において、圃場水位等の情報の省電力センシングと、ポンプ等の農業用機器の低遅延制御を両立されるような省電力無線機の設定について検討・実証した。省電力動作が必要となる多様な適用分野を想定した、更なる機能の拡張が今後の検討の課題である。4図8 センサブイの外観図9 センサブイ設置外観図10 農業機器への省電力無線機適用実証272-4 農業・漁業センシング等に有効な省電力グリッド技術の研究開発

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