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5台の屋上端末は全て太陽電池システムを用い、250mW通信端末を用いた。屋上端末間のリンクは緊急情報用として設けられ、バスの走行による集配信に比べて集配信できる情報量が少ない送信フレームを設計しているが、情報が早く届けられる特徴がある。送信フレームの具体例を次項に示す。また、屋上端末を用いて、港区役所から緊急配信ができるように通信リンクを確立した。4.2郊外地型環境での展開と実証実験:精華くるりんバス(京都府精華町)精華くるりんバスが走行する精華町を郊外地型環境として、テストベッドを展開した。精華くるりんバスを中心としたテストベッドのイメージ図を図6に示す。サイネージ端末8台と屋上端末8台及びセンサ端末6台をエリア内に展開した。3.3で述べたように、センサ端末は取得した情報の配信のみを行う。8台のサイネージ端末は精華くるりんバス内3台(1台は予備車)と精華町役場をはじめとするエリア内の施設に5台を設置した。精華くるりんバスで集配信を行うコンテンツとして、精華町役場からの行政関連情報、国会図書館関西館からのイベント情報及び奈良交通[14]からの交通情報などが含まれている。一方、郊外地型環境ではコミュニティバスの走行頻度が低く、精華くるりんバスについても、バスロケーション案内を実現したいという要望が強かった。バスロケーション案内を行うために、精華くるりんバス路線全線において、バスが走行している位置のバス位置情報を準リアルタイムで把握する必要がある。そのために、精華くるりんバスからの送信信号がより遠くまで届くことが望ましく、3台の精華くるりんバスは250 mW通信端末を用いた。また、精華くるりんバス路線全線の任意位置から送信されるバスの位置情報を受信できるよう、図6に示すように精華町役場の屋上などに設置の5台の自立型屋上端末に加えて、3台の簡易型屋上端末を設置した。記述の便宜のため、図6に8台の屋上端末をT1~T8で標記した。3台の簡易型屋上端末(T6, T7, T8)は図6の破線のリンクで示すように、精華くるりんバス全路線のカバレッジを強化するとともに、屋上端末による新祝園駅下狛駅山田川駅精華町役場いけたに保育所精華台小学校山田荘小学校祝園案内所自販機①むくのきセンター自販機②けいはんなプラザサイネージ端末屋上端末センサ端末凡例:バス路線簡易屋上端末NICTKICKかしのき苑T1T2T3T4T5T6T7T8図6 精華くるりんバスを中心としたテストベッド図7 送信フレームの例4s 4s2s 2s2s2s4s 4s2s 2s2s2sT8T7T4T5T2T3T1T6S-F&SenS-F&SenS-BS-B1フレーム(60s)同期4s 4s2s 2s2s2s4s 4s2s 2s2s2sT8T7T4T5T2T3T1T6S-F&SenS-F&SenS-BS-BS-B: バス搭載サイネージ端末S-F: 施設設置サイネージ端末Sen: センサ端末2 地上通信技術の研究開発46   情報通信研究機構研究報告 Vol. 63 No. 2 (2017)

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