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10 MHzを用いていることから、受信アンテナ間距離0.6 mに対して波長は約3.3 m(水中)となり、アンテナ間相関が高いことに起因して通常の信号処理(測定値からの共分散行列の生成)では、鋭いMUSICスペクトラムは得られない(赤色の破線)。これに対して、空間スムージング法(スムージング処理に1次元を割り当てる処理)を適用することで、図に示すように、鋭いスペクトラム(青色の実線)が得られることを確認した。今後の展望今回開発した海中チャネルサウンダは、深度500 mまで測定が行えることから、今後、傭船等を用いて、様々な海中環境(水深、深度、海域等)における電波伝搬特性の測定を行い、海中における電波伝搬特性の解明を進めていく予定である。【参考文献【1吉田,永井,中村,岩切,広瀬,“海底下調査を目指した電磁波テレメトリとロボットの研究,” 物理探査学会 第133回(平成27年度秋季)学術講演会,2015年9月.2吉田,岩切,広瀬,福田,出口,菅,“深海における電磁波の応用,” 電子情報通信学会ソサイエティ大会,2015年9月.3吉田,岩切,広瀬,福田,出口,“海中チャネルサウンディングによる海中電磁波伝搬特性の推定-計測コンセプトの紹介と事前試験結果についての報告,” 海洋理工学会平成27年度春季大会,2015年5月.4岩切,広瀬,吉田,“変調信号を用いた水中チャネルサウンディング実験,” 電子情報通信学会ソサイエティ大会、2015年9月.5広瀬,岩切,吉田,“淡水中の短波帯超広帯域電波伝搬特性の実測,” 電子情報通信学会ソサイエティ大会,2015年9月.6広瀬,岩切,吉田,“水中における短波帯広帯域電波伝搬特性,” 電子情報通信学会総合大会,2016年3月.7岩切,広瀬,吉田,“SIMO-OFDM信号を用いた水中チャネルサウンディング実験,” 電子情報通信学会総合大会、2016年3月.吉田 弘 (よしだ ひろし)国立研究開発法人海洋研究開発機構海洋工学センター海洋基幹技術研究部部長博士(理学)海洋工学、ロボット、電磁気学菅 良太郎 (すが りょうたろう)国立研究開発法人海洋研究開発機構次世代海洋資源調査技術研究開発プロジェクトチームポストドクトラル研究員博士(工学)アンテナ工学、電磁界解析、海洋ロボット松田隆志 (まつだ たかし)ワイヤレスネットワーク総合研究センターワイヤレスシステム研究室研究員博士(工学)センサネットワーク、無線給電、生体通信滝沢賢一 (たきざわ けんいち)ワイヤレスネットワーク総合研究センターワイヤレスシステム研究室研究マネージャー博士(工学)移動通信、水中通信、生体通信、画像符号化児島史秀 (こじま ふみひで)ワイヤレスネットワーク総合研究センターワイヤレスシステム研究室室長博士(工学)無線通信、無線アクセス制御3図5 距離に対する受信信号電力及び信号強度の遅延特性(左:深度1 m、右:深度1.9 m)図6 到来方向推定実験の結果(0度方向からの到来時)512-8 極限環境ワイヤレス(海中ワイヤレス)に関する研究開発

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