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まえがき 超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)は情報通信研究機構(NICT)と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した高速衛星通信技術確立用の技術試験衛星で、平成20年2月23日にH-IIAロケットによりJAXA種子島宇宙センターより打ち上げられた[1]。 初期チェックアウト後の定常運用移行時から開始されたNICT基本実験では基本実験計画書にのっとり、衛星搭載機器性能確認実験や基本伝送実験等を実施してきた。 また平成25年4月からはWINDSは後期運用へ移行した。これに伴いNICTでは後期基本実験を立案し、実験を実施している。WINDS実験 WINDSは平成20年2月23日の打ち上げ後、静止化や初期チェックアウトが実施され、衛星の健全性が確認された後、平成20年7月から定常運用へ移行した。WINDS運用・実験の経過を図1に示す。 ここから衛星開発機関であるNICT及びJAXAが実施する基本実験が開始され、まず初めに基本的な通信特性取得が行われた。その後、平成20年10月から総務省が広く公募を行った利用実験が開始された。利用実験には53件の応募があり、利用実験協議会を形成して、スケジュール等の調整を行い、実験を推進した。 定常運用期間でNICTは基本実験[1]を実施してきた。基本実験は衛星搭載機器性能確認実験、基本伝送実験、高速衛星ネットワーク実験、ネットワーク・アプリケーション実験で構成され衛星通信ネットワーク基礎特性からアプリケーションまで実験を実施してきた。 WINDSの設計寿命である5年が過ぎた平成25年4月からは後期運用へ移行し、利用実験は終了した。後期運用では、JAXA社会化実験及びNICT後期基本実験を実施している。12図1 WINDS運用・実験の経過29年WINDSNICT平成20年21年22年23年24年25年JAXA利用実験協議会26年27年28年▲打上初期C/O定常運用後期運用基本実験後期基本実験基本実験社会化実験利用実験3 超高速衛星通信技術3-1 WINDS後期基本実験高橋 卓 川崎和義 鄭 炳表 片山典彦 菅 智茂 大川 貢超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS)は高速衛星通信技術確立のために開発された衛星で、平成20年2月23日に打ち上げられた。初期チェックアウトの後、衛星開発機関である情報通信研究機構及び宇宙航空研究開発機構が実施する基本実験が開始された。平成20年10月からは総務省が広く公募した利用実験が開始された。WINDSは平成25年3月に定常運用を終了し、後期運用へ移行、これに合わせて情報通信研究機構では後期基本実験計画を立案し、実験を実施している。本稿では、後期基本実験計画について述べる。653 超高速衛星通信技術

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