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WINDSは、非再生TDMAモードにおいて、6つの経路が存在する。送受信間で広帯域のバンドパスフィルタを通過する経路が4系統、狭帯域のバンドパスフィルタを通過する経路が2系統ある。WINDS通信経路MBA-LNA/RX(or APAA)からMPA-MBA/TX(or APAA)において、バンドパスフィルタ(BPF-W1, W2, W3, W4, U1, U2)を通過する6つの経路がある。BPF-W1からBPF-W4までのBPFは1100 MHzの全帯域を通過するが、BPF-U1とBPF-U2は1100 MHz帯域幅の上側600 MHzの帯域を通過する。再生中継モードと混在で使用するとき、上側帯域(upper band)を非再生中継モードで使用し、下側帯域(lower band)を再生中継モードで使用することができる[3]。高速ネットワーク構築のため、SDR-VSATとLETを開発した。SDR-VSATは、車載地球局(SDR-VSAT1)と可搬型地球局(SDR-VSAT2)である。LETは、鹿島宇宙技術センターに固定地球局として構築した。図3、4、5に各々、LET、SDR-VSAT1、SDR-VSAT2の外観を示す。表2に、3つの地球局の諸元を示す。LETとSDR-VSAT1のアンテナトラッキングは、ミッションテレメトリ信号の残留キャリアを使用している。SDR-VSAT2は、アンテナトラッキングシステムを持っていない。トラッキングによるレベル変動への影響は大きくなく、短時間での実験ではトラッキングによるレベル変動への影響はない。HPAの最大出力は、215Wである。通過帯域幅は1100 MHzで、IF中心周波数は、3000 MHzである。表3は、非再生TDMAモードの回線設計例である。LETとSDR-VSAT1間の通信において、通信形態により、C/Noマージンは、4.1 dBから13.3 dBとなっている。ここで、エラーフリー(<10-10))となる所要Eb/Noの設計目標は、Eb/No=10 dBとしていた。(後述の実測値では、1244 Mbit/sモードでは、所要Eb/Noは13 dB必要となった。)2.3622 Mbit/s/1244 Mbit/sデュアルレートバーストモデム高速ネットワーク端末を構築するため、高速バーストモデムを開発した。622 Mbit/sのユーザデータレートで動作するプロトタイプのバーストモデムを開発し [4]–[7]、さらに、1244 Mbit/sのユーザデータレートで動作するようにアップグレードした。図6に、622/1244 Mbit/sデュアルレートバーストモデムの構成を示す。図7に、外観(2セットの写真)、表4に諸元を示す。バーストモデムは、変調ボード、復調ボード、ターボ積符号(TPC)復号ボード、制御ボードの4つのボードで構成される。全てのボードは、FPGAを使用したデジタル回路で構成される。これらのボードは、ATCA(Advanced Telecommunication Computing Architecture)バックプレーンに実装されている。RFユニットでは、4値変調ベースバンド信号をIFLETSDR-VSAT1SDR-VSAT2アンテナ4.8 m カセグレンリフレクタアンテナ2.4 m オフセットフィードカセグレンリフレクタアンテナ 2.4 m オフセットフィードアンテナ アンテナ利得Tx: 60.2(dbi)Rx: 56.5(dBi)Tx: 53.9(dbi)Rx: 50.2(dBi)Tx: 54.7(dbi)Rx: 51.8(dBi)周波数Tx: 28.05GHz±550MHzRx: 18.25GHz±550MHzHPA出力215WEIRP79.3 dBW73.1 dBW74.0 dBWG/T32.7 dB/K26.3 dB/K27.0 dB/K平坦度RFループバック: 2.55 dBp-p (1.1 GHz BW)スプリアス< -60 dBc表2 地球局諸元図3 LET図5 SDR-VSAT2図4 SDR-VSAT1933-4 622/1244 Mbit/sデュアルレート高速バーストモデムTDMA衛星通信実験

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