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それぞれ100 Mbps/100パケット/10 msである。データ転送成功率の閾値を0.995、ソースブロックサイズ(k)を5に設定した。Interestとデータサイズは、それぞれ120、1024バイトに、ビデオアプリケーションの許容遅延は150 msecに設定した。各ビデオの最大転送レートは35 Mbpsであり、SVCのベースレイヤ/レイヤ2/レイヤ3のそれぞれの転送レートは20 Mbps/10 Mbps/5 Mbpsである。図4は、提案方式と比較方式の正規化されたQoE値を示している。提案手法は、比較手法と比較して高いQoE値を達成している。これは、マルチパス活用によりネットワークリソースを有効活用しつつ、ビデオ品質適応とデータ損失リカバリが機能しているためである。一方、比較手法でもマルチパスを活用しているが、データ損失発生に反応して受信映像品質を下げるため、高いQoEを達成することが困難になっている。また、図5で示すように、提案手法はSMIを活用することにより高レートInterestを抑制するため、Interestトラフィックを比較手法と比較して劇的に抑えられることが証明された。以上、我々が提案したネットワーク内キャッシュや柔軟なマルチパス転送、ホップバイホップ転送といったCCN通信の利点及びネットワーク内符号化機能を活用したリアルタイムストリーミング用トランスポート技術を紹介した。提案手法は、(1)SMIにより高レートInterestと重複データ転送を防ぎ、(2)リンクの許容遅延を考慮し、必要に応じて最小限の冗長符号化データを付与することで高い転送効率達成を図るとともに、(3)各リンクのネットワーク帯域を有効活用し、各フローに公正に帯域を割り振ることで効率的に高い映像品質データを受信者側へ転送することでQoE向上を図る。評価では、既存手法と比較して、SMIによる無駄なトラフィックを抑制すると同時に、高い QoE(最大 25%向上)を達成できることを確認した。今後の課題として、文献 [8]のアイデアを応用し、受信者モビリティに対応すべくプロトコルの拡張を行う。図3 評価ネットワークトポロジ(Abileneトポロジ)012345678910Four real-time video sourcesOne real-time video sourceArchived contentArchived contentInterestFour real-time video sourcesTime0301020・・・・4050Start/End time of each flow(sec.)図4 QoE評価結果図5 リンク(9, 8)におけるInterestトラフィックのレート976-2 情報指向型ネットワーク技術
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