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6モード19コアファイバの設計・試作を行い、共同受託機関と連携してその伝送特性の評価を行うとともに、マルチコア・マルチモードファイバの実効断面積の測定方法を考案・実証した。マルチコアファイバのコア配列高精度化技術の開発に関しては、測定誤差、線引き起因の誤差、母材作成時に生じる誤差などの要因を洗い出し、その低減手法を明らかにし、±0.5 µm以下のコア間隔の誤差を実現した。また、マルチコアファイバ多条コネクタを開発し、96コアコネクタ及び256コアコネクタにおいて、1 dB以下の挿入損失を実現するとともに、全コアでのフィジカルコンタクト接続を達成し、世界最高コア密度の光コネクタを実現した(図2)[9]。2.4大容量マルチコアファイバの性能評価技術本小課題では、マルチモードファイバにおけるモード間の結合の大きさとその長手方向分布の一括測定が可能なモード結合評価技術の確立及び、マルチコアファイバにおける超多値光信号(多値度64~256)の伝送特性の評価を通じたペタビット級大容量伝送の実現可能性の明確化を目標に研究開発を実施した。モード結合評価技術としては、マルチチャネルOTDRを用いてマルチモードファイバ中のモード結合量の長手方向の分布を測定する手法を新たに提案し、LP01、LP11a、LP11bの3モードに対するクロストークの測定技術を確立する[10]とともに、マルチモードファイバとマルチコアファイバの両方に対応したモード結合測定装置を開発した(図3)。マルチコア・マルチモードファイバの超多値伝送とその特性評価に関しては、256値以上の超多値直交振幅変調(QAM)伝送に適した、低非線形性かつ低クロストーク特性を有する19コア単一モードファイバを古河電気工業と協力して開発し[11]、本ファイバを用いてC帯及びL帯において10 GHz間隔で波長多重した965チャネルの偏波多重256QAM信号(伝送速度:120 Gbit/s)を31 km伝送し、2.2 Pbit/sの超大容量伝送の可能性を実証した。マルチコア・マルチモードファイバを用いた10.16 Pbit/s伝送実験各小課題の成果を最大限に活用し、マルチコア・マルチモードファイバの10ペタビット級の潜在的伝送能力を有することを実証するための伝送実験を実施した[12]。図4に伝送実験系を示す。実験では、C帯及びL帯において12.5 GHz間隔で波長多重した739チャネルの光信号を用いた。光信号の変調方式としては、12Gbaudの偏波多重64QAM又は16QAMを用いた。送受信器で用いた光増幅器の利得不足などにより、739チャネルのうち、最短波長及び最長波長周辺の3図2 256コアコネクタの端面写真[9]図3 モード結合量の長手分布特性の測定系[10]IQMC+Lバンド波⻑可変光源測定⽤チャネルCバンド15 レーザ25GHz spacing偏波多重エミュレータLバンド15 レーザ12.5GHz 間隔C偏波多重エミュレータIQMCバンドWSSCLCLIQM2ch AWGC2ch AWGCCバンド372トーンLP01LP11aLP11bLP21aLP21bLP02CLCLCLCLCLCL光増幅器CLCLCLCLCLCLCL-:4CLCLCLCLCLCL-:4CLCLCLCLCLCL-:CLCLCLCLCLCL-:CLCLCLCLCLCL11.3km19コア6モードファイバ局発光スプリッタPol.OHPol.OHPol.OHPol.OHPol.OHPol.OHBPDsBPDsBPDsBPDsBPDsBPDsオシロスコープ80GS/s80GS/s80GS/sCLCLCLCLCLCLCLCLCLCLCLCLCLIQMLLLLバンドWSSIQM: IQ modulatorAWG: Arbitrary waveform generator WSS: Wavelength selectiveswitchPol. OH: Polarizationdiversity optical hybridBPD: Balanced photodetectorPRBS: 215-1Lバンド368トーン1:2スプリッタ1:8スプリッタ1:32スプリッタ6モード多重器6モード多重器1:4スプリッタファンインファンアウト6モード分離器オシロスコープオシロスコープ図4 10.16 Pbit/s伝送実験系173-2-1 革新的光ファイバの実用化に向けた研究開発 ~ペタビット級空間多重光ファイバの実用化・大容量化技術~

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