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バイス技術とシステム技術がより密接して連携し、さらに光通信、無線通信の隔たりが曖昧となる。そのため光電子融合プラットフォームという発想のもので、光・電子融合デバイスの開発や、有線・無線のシームレス伝送システムに関する研究を推進し、将来の自由度の高いアクセスネットワーク実現の基盤技術の開発が重要となる。異種機能材料(ヘテロジニアス)集積技術上述したように、これまでにNICTでは複数の異種機能材料を組み合わせるヘテロジニアス光集積デバイス技術を確立してきた[1][2]。近年の情報通信に関する社会的な状況を踏まえ、世界の研究動向に目を向けると、現在世界中で注目され盛んに研究されている技術として、Siフォトニクス技術を用いた超微細な光集積回路(PICs: Photonic Integrated Circuits)と、Ⅲ-Ⅴ族化合物半導体を用いたレーザなどの発光素子を異種材料集積(ヘテロジニアス集積)する技術がある[3]-[5]。SiフォトニクスによるPICsはLSIの微細配線に用いられるCMOSラインと相互互換性が高く、極めて効率良く低コスト化が可能であると考えられ、またLSIとの集積を可能し、そしてその高い屈折率差を有するデバイス構造から光回路を超微細化できるという特徴を持つため、超小型・低消費電力化、電気・光通信の融合が可能となるという点で世界的に非常に重要な研究課題と認識されている。図6 (a)に我々が試作したSiフォトニクス技術を用いたPICsの概観写真とその顕微鏡写真に関して典型的な例を示す。このチップの中に約200以上の光要素素子が集積されている。しかしながらSiは間接遷移型の半導体のため発光効率が非常に悪く、発光素子をPICsに集積するためにⅢ-Ⅴ族化合物半導体を用いたレーザなどの発光素子をヘテロジニアス集積することが非常に重要となる。一方、我々は量子ドット(QD : Quantum dot)構造4図6 Si フォトニクス光集積回路(a)と量子ドット光デバイス(b)の例1.5 mm半導体量子ドット高さ: ~5nm直径: ~20nm7 mmx10電極・配線Si光回路(a)(b)図5 将来のアクセスネットワークを支えるためのパラレルフォトニクスと100Gアクセスに沿ったデバイス・システム技術システム研究:100Gアクセス技術デバイス研究:パラレルフォトニクス技術光・高周波融合デバイス技術高密度光電子集積技術光・無線変換部RoF信号生成部無線受信部光ファイバーレーザ出力シリコンフォトニクスチップ量子ドット光増幅チップ波長コントローラ高品質・高密度量子ドット200 nm3 mm1 mm高精度シリコン細線リングフィルタ50 µmヘテロジニアス・デバイス技術有無線融合通信技術空港滑走路監視システム高速鉄道用通信システムスモールセル化と光ファイバ無線広帯域光デバイス技術新規帯域量子ドット技術414-1 光電子融合プラットフォーム
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