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将来に向けて現在我々は、1.83 THzのOHと2.06 THzの酸素原子の高精度スペクトル観測を目的とした、2 THz帯HEBMの開発を行っている。LOには2 THz帯AMC発振器を用いる。これまでの開発では、前述のように準光学型受信機において低雑音特性と高IF帯域特性が達成されている。準光学型受信機は設計、製作が比較的容易であるため先行して開発が行われたが、現在は、実際の観測応用を考慮して、ビームパターン特性に優れたコルゲートホーン付→コルゲートホーン(またはスプラインプロファイルホーン[30])付導波型管HEBMの開発も進めている。メンブレム型と呼ばれる新たなタイプのデバイス[31]の設計・製作や高精度のミキサブロックの作成(導波管サイズは130μm × 65μm (WR0.51))が必要になる。また、2 THz帯におけるビームパターン(振幅、位相)測定も進めている[32]。更に高い周波数には、4.75 THzに酸素原子のスペクトルが存在する。地球大気の観測や天体観測にとって重要な分子であり、前述のSOFIA、GUSTO、OST/HEROでも開発が進んでいる。NICTにおいても、将来的には4.7 THz帯THz-QCLの製作及びHEBMの開発も検討したいと考えている。6図18 (a)位相ロックがOFF (b)ONの時のビート信号 (c)位相ロックがONの時のビート信号をRBW 1 Hzで測定したもの(a)(b)(c)図19 ガスセルを用いた実験系102   情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 1 (2019)4 衛星センサによる宇宙からの地球環境観測

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