がδ より大きい場合は、手順2を行う。手順2: に疑似雑音を加えることで、ノルムがδ 以下となる を探す。 に疑似雑音を加えた場合に計算される は、以下の式(13)で表される。 (13)ここで は正の実数、 は単位行列である。 の増加に伴い のノルムは単調に減少するため、 を単調に増加させる反復計算を行うことで のノルムがδ 以下となる (以下、 )を見つけることができる。手順3のため、 を決定した直前の計算で用いた (以下、 )の値を保存しておく。手順3:式(11)の拘束条件を満たす最小の (以下、 )を見つける。 であり、 の増加に伴い のノルムは単調に減少するため、 は2分法を用いて決定できる。手順4: を用いた計算により、 を決定する。 は以下の式(14)で表せる。 (14)主アンテナとクラッタ抑圧用サブアレイを併用する方法では主アンテナのメインローブに混入するクラッタの抑圧を目的としないが、クラッタ抑圧用サブアレイを新たに設置することで既設のWPRに対しても比較的容易にACSの機能を付加することができる[23]。また、主アンテナとしてフェーズド・アレイ・アンテナでないアンテナ(パラボラアンテナ等)を使用するWPRに対しても、ACS機能を付加できる。さらに、クラッタ抑圧用サブアレイからの受信信号に対して位相の調整を行う必要がないため、クラッタ抑圧用サブアレイの設置と保守が容易である。また、この方法においては、ハードウェアの差異により主アンテナとクラッタ抑圧用サブアレイの雑音レベルが同じとならないことが一般的である。そのため、主アンテナとクラッタ抑圧用サブアレイで検出されるクラッタ強度を等価に扱えるよう、主アンテナ及び各クラッタ抑圧用サブアレイから得られる受信信号をそれぞれの雑音レベルで正規化し、正規化した受信信号を用いてACS処理を行う必要がある。クラッタの低減におけるDCMPとNC-DCMPの比較結果と() における雑音レベルの増加結果を評価することで、最適なδ を自動で決定する方法も提案されている[24]。図6 LQ-13に付加されているデジタル受信機の構成及び機能の説明図34 情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 1 (2019)2 地上レーダーによる気象現象の観測
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