作と、実証実験の概要を述べる。ACSの実証実験用機材の製作LQ-13に、新たなACSシステム(新ACSシステム)を導入する。図10に新ACSシステムの概要説明図を示す。新ACSシステムは、クラッタ抑圧用サブアレイ(Subarrays for Receiving Clutter)、多チャンネルアナログ受信機(Multi-Channel Analog Receiver)、多チャンネル信号処理装置(Multi-Channel Signal Processing Unit)、及び観測制御装置(Observation Control Unit)から構成される。LQ-13本体の送信部(Transmitter)及び主アンテナ(Main Antenna)は、そのまま使用する。LQ-13の受信機(Receiver)は、主アンテナを構成するルネベルグレンズ(LA)のそれぞれに対して、受信信号の増幅を行うLNAと第一IF(IF1)への周波数変換を行う周波数変換器(Frequency Converter)を持つ。これらのLNAと周波数変換器も、そのまま使用する。これらの既設ハードウェアの動作に必要な各種信号を伝送するためのハードウェア(Devices for Controlling Antenna/Transmitter/Receiver)も、可能な範囲でそのまま使用する。IF1は130 MHzである。実証実験では、多様な特性を持つクラッタに対してACSの性能検証を行う。そのため、異なる指向特性を持つクラッタ抑圧用サブアレイを製作することで、クラッタの特性に応じた効果的なクラッタ抑圧の方法を比較・評価する。多チャンネルアナログ受信機は、屋外ユニット(Outdoor Unit)と屋内ユニット(Indoor Unit)から構成される。屋外ユニットはクラッタ抑圧用サブアレイの直下に設置され、LNAによる受信信号の増幅とIF1への周波数変換を行う。屋外ユニットの製作数は12である。屋内ユニットでは、IF1から第二IF(IF2)への周波数変換を行うとともに、受信信号を増幅する。IF2は15 MHzである。屋内ユニットは、受信チャンネル数6のサブユニット4台と制御ユニットで構成さ図10 新ACSシステムの概要説明図。LAはLQ-13の主アンテナを構成するルネベルグレンズを、LNAは低雑音増幅器をそれぞれ示す。38 情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 1 (2019)2 地上レーダーによる気象現象の観測
元のページ ../index.html#42