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れ、最大受信チャンネル数は24である。制御ユニットは、サブユニットの動作に必要となる制御信号とIF2への周波数変換に使用する115 MHz信号を供給する。屋内ユニットは、クラッタ抑圧用サブアレイだけでなく、LQ-13の主アンテナを構成する13台のLAのそれぞれから得た受信信号に対してもIF2への周波数変換と信号増幅を行うことが可能である。そのため、新ACSシステムでは、主アンテナを構成するサブアンテナをサブアレイとして用いたACSを行うことができる。多チャンネル信号処理装置では、最大24チャンネルの受信信号に対するリアルタイムデジタル受信データ処理(デジタル直交検波・レンジング・レンジ方向のフィルタリング・位相変調パルス圧縮された受信信号の復号処理・時間積分)を行う。ACSの実用化に耐える処理性能と信頼性を確保するため、多チャンネル信号処理装置ではFPGAを用いたリアルタイムデジタル受信データ処理を実施する。観測制御装置では、送受信及び信号処理に必要となる測定パラメータの設定・観測の開始及び制御・ACS処理・ならびに測定データの保存を行う。ACSの実証実験ACSの実証実験では、LQ-13を用いた実証実験とLQ-13以外のWPRを用いた実証実験の両方を実施する。LQ-13を用いた実証実験では、異なる指向特性を持つサブアレイを用いたACSの性能評価に加え、主アンテナを構成するLAのそれぞれから得た受信信号を用いた(主アンテナを構成するサブアンテナをサブアレイとして用いた)ACSの性能評価も実施する。さらに、多様なクラッタ環境下におけるACSの性能評価を行うため、LQ-13以外の既設WPRを用いたACSの実証実験も実施する。実証実験の実施年度は、2019年度と2020年度である。2018年度は、4種類のクラッタ抑圧用サブアレイ(3段コリニアアンテナ・7段コリニアアンテナ・5素子八木アンテナ・12素子八木アンテナ)と多チャンネルアナログ受信機の屋外ユニットを製作するとともに、屋外ユニット以外の新ACSシステムの構成品を設計した。図11に、製作したクラッタ抑圧用サブアレイの外観とNICTの大型電波暗室における測定時の写真を示す。さらに、LQ-13以外の既設WPRを用いた実証実験の実施に必要となる関係機関との調整を行う図112018年度に製作したクラッタ抑圧用サブアレイの外観。(a)は3段コリニアアンテナの、(b)は7段コリニアアンテナの、(c)は5素子八木アンテナの、(d)は12素子八木アンテナの外観をそれぞれ示す。(e)はNICTの大型電波暗室におけるクラッタ抑圧用サブアレイのビームパターン測定時の写真。392-5 次世代ウィンドプロファイラの研究開発

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