上竜巻が発生したと推測される。高度1 kmの方位角シアの位置はドップラーライダーで検出された循環及び渦(海上竜巻)の位置に対して北西から北北西の方向に水平距離で700 mから900 m離れており、約40度程度傾いていることを示している。これは、親雲の北方向の動きと海上竜巻を発生させた上昇流の傾きが関係していると考えられる。アメリカでのフェーズドアレイレーダーによる竜巻の観測では、竜巻に関連する渦パターン(tornadic vortex signature:TVS)は成熟期にはより垂直に近い構造になり、TVSの傾きと強度は逆相関を示すことが報告されている[13]。本研究で観測された海上竜巻では、成熟期においても方位角シアは顕著な傾きを示しており、方位角シアの強度-2-1 0 1PANDA (km)(a)1429:00(b)1430:30-2-1 0 1PANDA (km)(c)1432:30(d)1438:00-2-1 0 1PANDA (km)(e)1439:30(f)1441:30-8-7-6-5PANDA (km)-2-1 0 1PANDA (km)(g)1443:00-8-7-6-5PANDA (km)(h)1445:00 <-8-6-4-20246>8 (m/s)図22015年8月31日(a) 1429:00 JST、(b) 1430:30 JST、(c) 1432:30 JST、(d) 1438:00 JST、(e) 1439:30 JST、(f) 1441:30 JST、(g) 1443:00 JST、(h) 1445:00 JSTにドップラーライダーの仰角0度のPPIで観測されたドップラー速度。破線の円は時計回りの循環または渦の位置を示す。-2-1 0 1PANDA (km)15203040(a)1427:00-2-1 0 1152030(b)1429:00-2-1 0 1PANDA (km)152030(c)1430:30-1 0 11520203040(d)1432:30-1 0 1 2PANDA (km)15203040(e)1435:00 0 1 21520202040(f)1438:00-8-7-6PANDA (km) 0 1 2PANDA (km)2020303040(g)1439:30-8-7-6PANDA (km) 0 1 2 3204040(h)1441:30 -14-12-10-8-6-4-202468101214 (m/s)6.478.1313.9611.6220.5522.8910.66図32015年8月31日(a) 1427:00 JST、(b) 1429:00 JST、(c) 1430:30 JST、(d) 1432:30 JST、(e) 1435:00 JST、(f) 1438:00 JST、(g) 1439:30 JST、(h) 1441:30 JST にPAWRの仰角8.19度のPPIで観測されたドップラー速度(カラー)。黒のコンターはレーダー反射強度を示す。破線の円は方位角シアの位置、円の隣の数値は方位角シアの強さを示す。グレーのラインはドップラーライダーにより観測された海上竜巻の軌跡、アスタリスクは海上竜巻の位置を示す。452-6 レーダー・ライダーによるメソスケール気象現象の観測
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