奇数番目を検証用、偶数番目のうちランダムに抽出した125568パッチを学習用としている。各パッチ画像にはGISから抽出したラベルを教師として与える。図2にHH偏波の散乱強度画像とGISデータから抽出した教師ラベルを重ねたものを示す。各地点の明るさが散乱強度を示し、色相が教師ラベルの分類クラスを示している。学習用パッチと教師ラベルを組み合わせた学習データを用いてネットワークの学習を行った。処理ソフトウェアにはMATLABを用いている。学習データに対して100回の反復学習を行い、学習にかかった時間はおよそ5時間であった。学習後のネットワークを用いて検証用パッチの分類を行った。分類した結果を図3に示す。各色が分類のクラスに対応する。また、分類結果のクロス集計を表1に示す。表1は各行がGISデータから抽出した正解を示し、各列がネットワークによる分類結果を示しており、各セル内の数字が該当するパッチ数を示している。つまり、縦と横のクラスが一致することが分類結果の正解を意味する。右端の列はクラスごと及び全体の正答率を示す。正答率は全体では79.26%であった。クラス別で見ると開放水域が最も正答率が高い。図1から分かるとおり、水面は陸地に比べ散乱強度が明らかに小さいという特徴があるため、分類が容易であったのだと予想される。ただし、画像左側中央付近にある空港の滑走路や、各地にある道路(教師ラベルでは「市街地」に分類されている)、さらに、裸地も散乱強度が低いため多少の誤分類が生じている。続いて市街地も正答率が高く、80%を超えていた。人工物と植生との偏波特性の違いが分類に有効に働いたのだと考えられる。一方、針葉樹林、常緑広葉樹林、落葉広葉樹林は相互に誤分類が多く、正答率は50%台にとどまった。これはそれぞれのクラスの特徴が近いため十分に分類ができなかったのだと考えられる。また、画像内でクラスに該当する面積が小さく、十分な数の学習データが取れなかった河川・池沼植生、竹林、果樹園はさらに正答率が低かった。図3 学習済みネットワークによる検証データの分類結果(右)と正解ラベル(左)14 市街地等 13 裸地 12 公園 11 牧草地・ゴルフ場・芝地 10 畑・水田・雑草群落 9 果樹園 8 落葉広葉樹林 7 常緑広葉樹林 6 針葉樹林 5 低木群落 4 タケ・ササ群落 3 草原 2 湿原・河川・池沼植生 1 開放水域 0 undefined 表1 検証データの分類結果のクロス集計正解\予測開放⽔域湿原・河川・池沼植⽣草原⽵林低⽊群落針葉樹林常緑広葉樹林落葉広葉樹林果樹園畑・⽔⽥・雑草群落牧草地・ゴルフ場・芝地公園裸地市街地等合計精度(%)1開放⽔域1066880118015117462015180464863911234294.97 2湿原・河川・池沼植⽣01030102103000224223.81 3草原2806511171625385414614656907965321037262.77 4⽵林00311059140210024723.40 5低⽊群落8801166097143771056131022871012892111433167.78 6針葉樹林101802137182655283011513015365312758.39 7常緑広葉樹林401446010390227162372234892833254120111217934501052.70 8落葉広葉樹林202091204126973289024126309579505657.16 9果樹園00010514304634100313434.33 10畑・⽔⽥・雑草群落111939722643910067781881237001615561233565.85 11牧草地・ゴルフ場・芝地114903320507075970135383171.84 12公園000000000000000-13裸地5811351039214718027085110118593551398984.77 14市街地等8713862123148484980589740555120281457582.52 0undefined43831962612491030240892921155521302938206614818-合計1079651816337411684871093135686251161495816130236191840424700979.26 653-3 Pi-SAR X2(航空機SAR) × 深層学習による土地被覆分類
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