械走査方式ではなく、瞬時に走査できる電子走査方式を採用することとした。要求仕様設定にあたり、EarthCARE/CPRのフットプリント750mを高度5kmにて観測できるように走査角度を±4.5度以上とした。また、電子走査方式ではアンテナが固定のため、送信/受信のそれぞれのアンテナ端で利得が3dB落ちることから、アンテナ端で鉛直速度測定対象の−19dBZの雲が観測できるようにビーム中心における観測感度を−25dBZ(1秒積分時)とした。パルス幅はHG-SPIDERと同じく1マイクロ秒で定義した。この目的に特化した検証用レーダーを電子走査雲観測レーダー(ES-SPIDER: Electronic Scanning SPIDER)と名付けて開発することとした。これら2式の地上検証用レーダーの開発コンセプト及び要求性能を図2に示す。図2 検証用地上設置W帯雲観測レーダーの開発コンセプト左:高感度雲観測レーダー、右:電子走査雲観測レーダービーム幅:0.095 度衛星高度:400km照射直径:<750m高度:5km地上設置雲レーダー観測イメージ照射直径:26mTx 送信ビーム(青) : 0.6 度x 9 度Rx 受信ビーム(赤) :0.6 度x 0.6 度観測イメージビーム幅:0.095 度衛星高度:400km高度:5km走査幅: ±4.5 度以上Rx 受信ビームTx 送信ビームfootprint: 750mWind Profilerやライダ等同時観測を予定要求感度:-25dBZ@5km, 走査角度0度< -19dBZビーム走査角度:+/-4.5度(0度鉛直上向き)送信ビーム幅:0.6度x9度受信ビーム幅:0.6度x0.6度要求感度: -40dBZ@15km, 1秒積分時<-35dBZ(大気減衰分2dBも考慮)ビーム幅: 0.3度(26m@高度5km)鉛直上向き、固定ビーム感度校正:EarthCARE/CPRより高感度な雲観測不均一性評価:フットプリント内の雲分布を観測受信部送信部給電ホーンアンテナ鏡面(80cmφ)EIKEM1図3 高感度雲観測レーダー(HG-SPIDER)送信管(EIK)とアンテナ鏡面は、衛星搭載センサ開発時の試作品を流用項目性能周波数(Frequency)94.090GHz送信出力(TxPower)EIK (peak電力1500W)アンテナ利得(Antenna Gain)56.00dBiビーム幅(Beam Width)0.293 度(0.266x0.322)偏波(Polarization)直線偏波(Linear Pol. )パルス幅(Pulse Width)0.5/1.0/2.0μs 繰返周期(PRF)3,000 -10,000 Hz受信感度(Sensitivity)-40dBZ@15km(1秒積分時,Integration 1sec.)アンテナ走査(Antenna Scanning)無(鉛直上向き)N/A (Nadir Pointing)観測レンジ(Range)150m(500m) -20kmドップラ速度計測(Doppler Function)パルスペア処理(Pulse-Pair Processing)表1 高感度雲観測レーダー(HG-SPIDER)の主要諸元電子走査雲観測レーダー (ES-SPIDER) Electronic-Scanning CPR高感度雲観測レーダー (HG-SPIDER) High-sensitivity Ground-base CPR 814-2 EarthCARE衛星搭載CPR検証用地上設置W帯雲観測レーダーの開発
元のページ ../index.html#85