⎛⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎜⎝γΓ0000Ω0–γΓ00000Ω⎞⎟⎟⎟⎟⎟⎟⎟0–ΓΓ0000Ω––Ω00γ–00δ–δΩ/2Ω/2000γΩ/2–δ000–00–γ–Ω/20–γγ000000δ–δ–Ω/2Ω/2–γ0–Ω/2000Ω/2δ000Ω–/2Ω/2–Ω/2–Ω/20δ–γ00–δ00–γ⎠(11)ハミルトニアン行列が時間依存しないとき、定常状態の密度ベクトル| は代数的に求められることが知られている [21]。次項からは、が時間依存する密度ベクトル| の解法について、従来法と提案法の2種類の計算方法について述べる。4.2.2 従来法による時間発展の計算従来法では、 秒の周期性のあるハミルトニアンを 分割し各点における密度ベクトル| を求める [30][33]。ただし、 は0から までの整数とし、 番目の分割区間内におけるは時間依存しない定数行列とする。また、周期境界における密度ベクトルを| とする。任意の における密度ベクトル| の時間発展を考える。時間発展後の密度ベクトル| は密度ベクトル| を初期ベクトルとしたときの/秒後の密度ベクトルであるため、式(9)より| と| には以下のような関係が成り立つ。|/| (12)ここで、 は行列の指数関数表示である。式(12)より密度ベクトルにおける漸化式が得られたため、全区間における密度ベクトルの時間発展について考える。1周期後の密度ベクトルを| とすると、| は周期境界における密度ベクトル| を使って、以下のように表すことができる。|/| (13)上式に加え、周期境界条件より|| であることを考慮すると、下式が得られる。/| (14)ここで、 は9×9の単位行列である。| はゼロベクトルではないことから、式(14)から| は∏/の固有値0の固有ベクトルである。この行列要素はすべて既知であるため、固有値0の固有ベクトルを求めることで周期境界における密度ベクトル| が求まる。各点における密度ベクトル| については、式(13)と同様に下式により求まる。|/| (15)ただし、密度ベクトル| は常に規格化条件 (∑) を満たすように規格化される。4.2.3 提案法による時間発展の計算提案法では、密度ベクトル| をフーリエ級数展開し、各フーリエ級数の重みを計算することで密度ベクトルの時間発展を求める [31]。は非時間依存の項と時間依存の項 を用いて、以下のように分解することができる。 (16)ここで、 は時間に依存する任意の関数である。式(16)を式(9)に代入すると、| (17)が得られる。上式を解くことで、密度ベクトル| 、すなわち、CPT共鳴における透過光強度の時間発展が求められる。図5 本解析対象のモデル(a)セシウム原子の準位構造、(b)Λ型3準位モデル62S1/262P1/2F=3F=4F'=3F'=4(a)|3|2|1δpγsδcΓ31Γ32ΩpΩc(b)γfγf212 情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 2 (2019)6 時空標準技術の社会実装を⽬指して
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