HTML5 Webook
50/258

18014-4は、JIS X 5094を基にして制定されたものであるが、作成過程において修正が加えられたため、ISO/IEC 18014-4に合わせるため、JIS X 5094を2019年3月に改定した。なお、この改定においても、日本の「タイムビジネス信頼・安心認定制度」の規定に沿うように、ISO/IEC 18014-4とは異なり、NICT を日本の標準時を供給する機関として位置付けている。まとめNTPやhttp/httpsによる時刻供給サービスのアクセス数の急増は、インターネット社会が発展するとともに、その中で使用される時刻の信頼性が重要になってきていることを示している。NICTが供給している標準時は、公開NTPの2019年6月のアクセス数が1日に70億程度あるように社会インフラとしてなくてはならないものとなっており、それらを安定に維持していくことが、今後も重要である。また、新しいインターネット社会に向けた新しいサービス、例えばNTPよりも高精度な時刻配信プロトコルであるPTP(Precision Time Protocol)等を利用した時刻供給等の導入へ向けた検討が必要である。謝辞ネットワークを利用した標準時の供給に多大なご協力を頂いておりますNICT経営企画部情報通信システム室の方々に深く感謝いたします。【参考文献【1“令和元年版情報通信白書,” http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/pdf/ index.html2土屋茂,“長波帯標準電波送信所の運用,” 情報通信研究機構研究報告, vol.65, no.2, 3–3, 2019.3今村國康,“光テレホンJJY,”情報通信研究機構研究報告, vol.65, no.2, 3–5, 2019.4小竹昇, “周波数校正,” 情報通信研究機構研究報告,本特集号, 2-6, 2019.5今村國康, 後藤忠広, 金子明弘, 今江理人, 栗原則幸,“ネットワークによる時刻供給,” 通信総合研究所季報,vol.49, nos.1/2,pp.203–212,2003.6鳥山裕史,町澤明彦,岩間司,“ハードウェアNTP サーバの開発,” 電子情報通信学会論文誌B,vol.J89-B,no.10,pp.1867–1873,2006.7町澤朗彦, 青木哲郎, 岩間司, 鳥山裕史, 今村國康, 土屋茂, 金子明彦, 前野英生, 高橋幸雄,“日本標準時を基準とした高信頼公開NTPシステムの開発,” 電子情報通信学会論文誌D, vol.J96-D, no.10, pp.2308–2318, 2013.8“pool.ntp.org,” https://www.ntppool.org/ja/9“NICTインターネット時刻供給サービス(http/httpsによる時刻供給サービス),” http://www.nict.go.jp/JST/http.html10“タイムビジネス信頼・安心認定制度,” https://www.dekyo.or.jp/tb/contents/summary/system_5.html11“トラストサービス推進フォーラム,” https://www.dekyo.or.jp/tsf/12岩間司, 齊藤春夫, 町澤朗彦, 鳥山裕史,“日本のタイムビジネスの動向,” 情報通信研究機構季報,vol.56,nos.3/4, pp.65–78, 2010.齊藤春夫 (さいとう はるお)電磁波研究所時空標準研究室マネージャー 時間・周波数計測岩間 司 (いわま つかさ)電磁波研究所時空標準研究室研究マネージャー博士(工学)時刻・周波数供給・同期、時刻応用技術今村國康 (いまむら くにやす)電磁波研究所時空標準研究室 標準時、周波数標準小竹 昇 (こたけ のぼる)電磁波研究所時空標準研究室主任研究員時間・周波数標準碓氷ひろみ (うすい ひろみ)電磁波研究所時空標準研究室有期研究技術員 時間・周波数標準成田秀樹 (なりた ひでき)電磁波研究所時空標準研究室有期研究技術員時間・周波数標準444   情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 2 (2019)3 ⽇本標準時システム

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る