HTML5 Webook
75/258

それ以外の部分に大きな違いはない。量子部は三層の磁気シールドの覆われており、無酸素銅で作られたQ値が20 000弱の円筒型共振器がラムゼー共振器として真空層内に設置されている。検出部には、検出レーザー光を水平入射できるポート3つと、蛍光観測用の光ディテクターが設置できるポート2つから成っており、F=4とF=3の原子が発する蛍光を独立に検出できる。検出部とトラップ部の間には、磁気副準位mF=0の原子だけを選ぶ選択用共振器が設置されており、その共振器はQ値100程度の方形型共振器である。トラップ部と量子部にはそれぞれイオンポンプとNEGポンプが1台ずつ備え付けられ、真空層内部では10-7torr以下の超高真空を実現している。図1にCsF2の全体写真を、図2にCsF2の内部構造を示す。2.2CsF1とCsF2用レーザー光学系Cs原子の捕獲、上方への打ち上げ、落下する原子の検出、を行うレーザー光として、周波数雑音が比較的少ない半導体レーザーを用いている。CsF1とCsF2用のマスターレーザーとして、外部共振器型半導体レーザーを1台ずつ用い、その発振周波数はCs原子のD2線のF=4 – F”=5遷移に安定化している。マスターレーザーの出力強度は10mW程度であるため、高出力半導体レーザーをスレーブレーザーとする注入同期やテーパーアンプによる光増幅などでレーザー光の高出力化を図っている。増幅されたレーザー図1 原子泉型一次周波数標準器NICT-CsF2図2 NICT-CsF2の内部構造C-field coilMicrowavecavitySelectioncavityTrapping chamberDetectionzoneThree-layersmagneticshields4881856700694-2 原子泉型一次周波数標準器 NICT-CsF1 & NICT-CsF2

元のページ  ../index.html#75

このブックを見る