HTML5 Webook
90/258

オーバーラッピング・アダマール分散から を見積もり、運用していない期間のフリッカー周波数ノイズによるデッドタイム不確かさを評価した。これにランダムウォークノイズも考慮して、10日間の測定キャンペーン中のデッドタイム不確かさを見積もった。また、水素メーザーが予測不能な挙動をしたときに、それを判断できるように、複数の水素メーザーの平均を仲介周波数標準に用いた。この場合複数の水素メーザーによる平均化の効果も期待できる[2][24]。日本標準時(JST)システムBIPMUTC-UTC(k)DMTD+9 hUTC(NICT)HM2月報比較Cs clockCs clockCs clockCs clockCs時計100 MHzNICT-Sr1HM1測定JST光格子原子18台図4 Intermittent評価法による水素メーザー周波数測定及び標準時系の関係NICT-Sr1から生成した100MHzで水素メーザー100MHzを評価。日本標準時システムでは、この水素メーザーとUTC(NICT)の位相差が定常的に測定されている。BIPMが報告する時刻差UTC−UTC(NICT)やTAI秒のSI秒からの校正値を利用して、NICT-Sr1の絶対周波数を決定する。図5水素メーザーとNICT-Sr1のアラン標準偏差及びオーバーラッピング・アダマール分散オレンジと青実線は2つの水素メーザーHM1とHM2のアラン標準偏差、オレンジと青点線はHM1とHM2のオーバーラッピング・アダマール分散。黒点線は、HM1とHM2のオーバーラッピング・アダマール分散。HM1とHM2はともに10 000sで15桁以下の安定度に到達する。NICT-Sr1の安定度(緑線)は水素メーザーよりも十分に高い。10110210310410510610710-1610-1510-1410-1310-1610-1510-1410-13AllanHadamardHM1UTC − HM1HM2UTC− HM2Sr(HM1− HM2)/√21operation1day1week1month図6Intermittent評価法を用いた水素メーザーの周波数測定1日3時間の測定を10日間行った。これをフィッティングして、デッドタイム不確かさを考慮し、この期間の平均周波数を見積もる。-4-2024-1.06-1.05-1.04-1.03-1.02-1.01-1.00(×12)(day)84   情報通信研究機構研究報告 Vol. 65 No. 2 (2019)4 原⼦周波数標準

元のページ  ../index.html#90

このブックを見る