測定可能な分光光度計(V-770ST+ARMN-920、日本分光)を用いて測定した。入射ビームのスポットサイズと発散角度はそれぞれ3 mmϕ と0.1°以下である。サンプルの前にアパーチャーを置き、ビームスポットサイズを調整した。このような系で、入射角5°から60°まで1°ずつ反射スペクトルを測定した。図20はp及びs偏光に対してオフセット表示した角度分解反射スペクトルである。図20(a)には3つの特徴がある。第1は入射角5°、波長450 nm付近におけるブローなディップであり、入射角に対して強く波長シフトしない。この特徴は数値計算結果にも見られ(図20(c))、1次のギャップSPPsに起因している。他の2つは入射角5°、波長300 nm以下に見られる。低エネルギー側は2次のギャップSPPsに対応し、高エネルギー側はAl金属膜/石英基板界面における伝搬型SPPsに対応している。反射スペクトルの実験結果は数値計算結果とおおむね一致しているが、サンプルの不完全性により共鳴波長にずれが見られる。一方、図 20(b)はs偏光に対する反射スペクトルであるが、可視光領域においては特徴がほぼ無い光学応答を示す。反射率はUV領域(波長≤ 400 nm)から減少傾向を示し、DUV領域(波長≤ 315 nm)では強い光散乱によってその減少が顕著となる。この反射強度の減少には入力角度依存性はほぼ無い。全体として、s偏光に対する角度分解反射スペクトルの測定結果は実験結果とおおむね一致している。図21(a)は角度分解消光比スペクトルのオフセット付き表示である。波長300 nm近傍に入射角変化と共にシフトするメインピークが2つある。高エネルギー側のピークはAl金属膜/石英基板界面における伝搬型SPPsに起因しており、低エネルギー側のピークはギャップSPPsに起因している。これら2つのモーは互いに干渉し、Fano共鳴を引き起こす。この干渉効3004005006000100200300400500600Reflectance (s-polarization)Experiment60°10°20°30°50°40°300400500600020406080100120140Reflectance (p-polarization)Experiment10°20°30°40°50°60°(a)(b)(c)(d)Wavelength (nm)Wavelength (nm)図20オフセット表示された角度分解反射スペクトルの(a), (b)測定結果、(c), (d)計算結果(a), (c)はp偏光に対する結果であり、(b), (d)はs偏光に対する結果である。反射率は10°ずつ青線でハイライトされている。994-2-2 深紫外偏光制御デバイスの研究開発
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