ギャップに代表される物性から、SiC, GaNに代表される既存のワイギャップ半導体と比較しても、更に大きなポテンシャルを秘めており、パワーデバイス用途に非常に有望であると期待されている。また、単結晶バルクを融液成長法により作製可能であることから、大口径高品質基板が低コストで得られる点も大きな魅力である。世界に先駆けてGa2O3トランジスタ、ダイオーの開発に挑んでいる。また、深紫外光ICTデバイス先端開発センターでは、深紫外(DUV)発光素子や光ICTデバイスの高効率化、新機能創出に向けた研究開発を進め、従来性能限界を打破する深紫外光デバイスの実現に挑戦している。低環境負荷かつ小型・高効率・低コストな、従来にない深紫外LEDや深紫外光ICTデバイスを実現することで、情報通信から環境、安全衛生、医療に至るまで、幅広い分野の生活・社会インフラに画期的な技術革新をもたらすことを目指している。深紫外LEDは、今後広く普及が実現されれば、大きな社会的貢献と新規市場の創出が見込まれる。深紫外LEDの効率向上を阻んでいる最大の課題を、フォトニック結晶やナノ光構造を駆使した光取出し効率の大幅な向上技術を開発することで解決し、深紫外LEDの高効率化や高出力化、さらには産官連携による本格的な実用化技術開発に取り組んでいる。和田尚也 (わだ なおや)未来ICT研究所研究所長博士(工学)超高速光信号処理、フォトニックネットワーク2 情報通信研究機構研究報告 Vol.66 No.2 (2020)1 緒言
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