低コスト化への適応性も並行して検討した。開発した作製技術の詳細は、参考文献[20]を参照いただきたい。3.3265 nm帯深紫外LEDの高出力化実証ナノインプリント技術を用いて形成したAlNナノ光構造付加型深紫外LED(チップ面積:約1 mm2、メサ面積:0.35mm2)をTOパッケージにフリップチップ実装した外観写真を図5に示す。光の干渉を起こすAlNナノ光構造が、チップ全面にむらなく均一に形成されているのが分かる。同素子の光出力特性を図6に示す。従来素子(表面加工無し)では、注入電流の増加に伴い、急速に光出力が飽和してしまう現象(ループ)が見られた。一方、AlNナノ光構造を形成した深紫外LEDでは、光出力が増大するとともに、注入電流を増加させても、ループの発生が抑制された。この結果、従来素子に対し、高電流値において約20倍(@850 mA)もの大幅な出力向上が得られた[20]。ナノ光構造の効果を検証するため、図7に両素子の遠視野及び近視野像を示す。どちらのプロファイルにおいても、従来素子に対しナノ光構造を付加した深紫外LEDでは、高強度かつより広い角度範囲で深紫外光放射が観測された。開発したAlNナノ光構造により、光取出し角度が大幅に拡大されていることを明確に示す実験図7 (a)従来型(表面加工無し)と(b)AlNナノ光構造付加型の遠視野像比較、(c)従来型(表面加工無し)と(d)AlNナノ光構造付加型の近視野像比較図6 開発した深紫外LEDの注入電流に対する光出力とエンハンスメントナノ光構造付加型LEDチップ電極AlNサブマウント図5 AlNサブマウントへのフリップチップ接合後の深紫外LEDの外観794-2-1 深紫外固体光源デバイス技術の研究開発
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