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過するガラス繊維強化プラスチック製で、10種類の形状のパネル221枚で構成されている。透過損失は、1GHzで-0.0129dB、3 GHzで-0.1319dB、9 GHzで-0.5814dBである。全体は、太陽光を反射するように白色に塗装されている。2.5監視カメラレドーム内及びレドームから離れた位置にある伝搬実験室内には、機器の状況を監視するカメラが、それぞれ2基及び1基、設置されている。カメラによる映像はイーサネットにより取得できるようになっており、ネットワークを通じて、ズーム・チルト・パン等の制御が可能である。2.6望遠鏡と伝搬実験室間の通信望遠鏡ベース部と伝搬実験室の間には、光ファイバーケーブルが敷設されており、受信信号を伝送している。伝搬実験室内にLANが設置され、インターネットと通じている。フロントエンド3.1フロントエンド概要フロントエンド(図6)は、主鏡焦点に位置する給電系の外側に設置されており、給電系で集光した広帯域信号(バンド1: 70 MHz~1024 MHz、バンド2:1024 MHz~3072MHz、バンド3:3072 MHz~9216 MHz)のそれぞれに対し、フィルタを介し、増幅後、可変アッテネータで出力レベルを最適にし、出力する装置である。図7に信号の主な流れを示す。各バンドの入力部分に同軸スイッチとノイズソースを備え、ノイズソース信号によりフロントエンド部の特性を確認することができる。また、各バンドに較正信号を入力するためのコネクタも備えている。出力した信号は、バックエンド(次節)のサンプラインターフェイスへ導かれている。3.2ノイズ除去フィルタの増設外来ノイズが多くなり、観測に支障を来すようになったため、外来ノイズを除去するためのフィルタをデザインし、令和元年度(2019年度)末に、フロントエンド部へ設置している。従来のバンドエリミネーションフィルタを増強したような形となり、773~803 MHz、860~890 MHz、945~960 MHz、2105~2165 MHz、2600~2645 MHzのそれぞれの信号を、信号強度にして30 dB以上減衰させている。減衰前後の信号の変化を図8に示す。3図6 フロントエンド部。カバーを取り外した内部の模様図8ノイズ除去フィルタ設置前後の受信信号の様子 左が設置前、右が設置後図7 信号の主な流れ 各バンドは直行2成分の両円偏波からなるため、実際はこの信号の流れが6本存在する。1674-5 太陽電波監視システム

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