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重力波であると仮定し、その伝搬を逆方向に高度20km程度までレイトレースして発生源を調べ、巨大積乱雲の場所に一致することを明らかにした。このことから、竜巻を生み出した巨大積乱雲が上方の電離圏まで伝搬する大気重力波も生み出し、その大気重力波が観測された同心円状の構造として現れたと結論付けている。また、本稿では触れていないが、同心円状の構造とは別に、北緯30-36度の範囲で音波共鳴が原因と考えられる周期約4分の短周期TEC変動も観測されている[47]。3.3TECデータの標準化とデータシェアリング上述したように、多数のGNSS受信機データを利用すると、高解像度でのTECマップの作成が可能で、これまで明らかにされていなかった現象を捉えることができる。一方で、密なGNSS受信機データが利用可能図7 DRAWING-TECのWebページ[42]で表示される各種TECマップ図8  (a)ヨーロッパ及び(b)北アメリカの稠密受信機網データにより作成されたTECの変動マップ[45][46] MSTIDの波面が観測されている。612-6 GNSS受信機を用いた電離圏全電子数の高解像度二次元観測

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