かれるTECは、全ての衛星を考慮した場合、GPSのみを考慮した場合、GPSとGLONASSを考慮した場合、GPSとGALILEOを考慮した場合、など、様々な組み合わせにより導くことが可能となり、より詳細な分析が可能となった。またシンチレーション指数として、従来の振幅の変動を表すS4に加え、位相の変動を表すσφも導いている。本システムは、東南アジア地域に設置のシステム(SEALION)と同型機で構成されており、ソフトウェア構成の統一も図っており、低緯度シンチレーションデータとの比較を容易に達成できる。指数の導出や表示システムにおいてはニーズに応じた改良を継続しており、完成度を高めている。結果の例を図21に示す。捉えたすべての衛星をプロットすると煩雑となるため、GPSの結果のみを示している。また、IGU (International GNSS Service)が推定した精密軌道由来の精密測位の結果を図22に示す。3.3光学観測太陽からは太陽風が絶えず吹き出しており、磁場を持つ地球のまわりには、磁気圏が取り巻いている。太陽表面で爆発現象(太陽フレアやそれに伴って発生す図18 GNSSシンチレーション観測受信機と制御PCほか図19GNSSシンチレーション観測用のアンテナ(昭和基地基本観測棟屋上に設置)図211日分の観測結果の例 上からVTEC、S4、σφ、測位誤差として南北方向、東西方向、鉛直方向。VTEC、S4、σφの色の違いは、衛星毎の違いを示す。縦軸の時間を合わせることで、シンチレーション発生時間とTECや測位誤差との比較をしやすくしている。図20 GNSSシンチレーション観測の構成912-9 南極電離圏観測
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