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細について述べる。図5に、これまで当センターが構築・運用してきた総合テストベッドの概要を示す。総合テストベッドは主に、超高速研究開発ネットワークテストベッドとして構築され、国際網とも接続することで地球規模での広域・高速通信網による検証環境を提供可能であるJGNと、JGNに接続された大規模エミュレーションテストベッドとして機能し、ハードウエア、ソフトウエアの拡張をも想定しながら無線通信システムの評価・実証に資するエミュレーションを具現化するStarBEDにより構成されている。図6に、JGNの概要を示す。JGNは、ICT技術開発の基盤となる超高速研究開発ネットワークであり、国内だけでなく、海外を含めたアクセスポイント間を100 Gb/sの広帯域回線で接続することで、L2/L3接続、仮想化サービス、光テストベッド等のサービスの検証を可能とするテストベッドである。JGNは、リアルな広域ネットワーク環境を用いて、B5G時代までも含めたバックボーンネットワークに関する技術の検証を可能とするものであり、大規模エミュレーションテストベッドであるStarBEDと接続し、これに対してネットワーク環境を提供することも想定されたネットワークテストベッドである。JGNは、国内外に広がるアクセスポイントの敷設と、相互接続ネットワークを想定していて、拠点間において適切なL2及びL3接続を提供することができる。また、各拠点における仮想ルータを適用した広域のネットワーク実証試験を行うことも可能としている。図7に、StarBEDの概要を示す。StarBEDは、多数のPC、サーバで構成された大規模計算環境であると同時に、特に実世界と同等のOSやソフトウエアを適用することを前提とした、エミュレーションによる各種システムの検証を可能とすることを主要な活用目的としている。これは、従来の計算機シミュレーション等では検証が不可能であるアプリケーション等上位層のふるまいが加味された実証が可能であることを示している。このようなエミュレーション技術は、サイバーフィジカル連携がもたらす革新的な効用のひとつであるといえる。またStarBEDにおける検証では、イICT技術開発の基盤となる超高速研究開発ネットワーク「JGN」を整備・国内、海外のアクセスポイントを最大100 Gbpsの広帯域な回線で接続し、L2/L3接続、仮想化サービス、光テストベッド等のサービスを提供・リアルな広域ネットワーク環境を⽤いて、次世代バックボーンネットワーク技術の検証が可能・StarBEDのネットワーク環境としても活⽤可能【国内外に広がるアクセスポイント・相互接続ネットワーク】•レイヤ2(Ethernet)/レイヤ3(IP) 拠点間接続•国内外のアクセスポイント(AP)へ直接接続•商⽤サービス(フレッツ等)での接続•相互接続する学術研究ネットワークや地域ネットワーク経由の接続•大学・高専から学術情報ネットワークSINET経由での接続•地域ネットワーク経由での接続【利⽤者向け仮想ルータ/サーバ/ストレージサービス】•各拠点の仮想ルータを使った広域でのネットワーク実験•主要拠点に配備する仮想マシン(VM)(仮想サーバ・ストレージ)利⽤SINET・地域ネットワーク・海外学術研究機関ネットワークとはJGNデータセンタ等拠点で接続【拠点間光ファイバ】•低損失の光ファイバ芯線•⼩⾦井ー大⼿町ー東京大学間•テラビット級の光伝送実験も可能JGN : Japan Gigabit Network が由来大規模エミュレーションテストベッド「StarBED」100万台レベルのエミュレーションによるハードウェア・ソフトウェアの検証基盤超高速研究開発ネットワークテストベッド「JGN」最先端のネットワーク技術の検証と国内海外における実証環境の構築を支援SINET5海外拠点シアトルバンコクシンガポール香港連携する各種機能•キャラバンテストベッド•LPWAテストベッド•P4テストベッド•IoTゲートウェイ•AIデータテストベッド•他の機構内テストベッドや設備図5 総合テストベッドの概要図6 JGNの概要6   情報通信研究機構研究報告 Vol.67 No.2 (2021)2 NICTにおける総合テストベッドの概要とB5Gに向けた取組

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