が完了するまでの時間で割った数値)に相当する。これは、2021年10月1日現在、国内で商用サービスとして利用可能な第5世代移動通信システム(5G)を用いた場合の技術規格上のデバイス間最大スループット480 Mbpsに匹敵する速度である。なお、本実証実験では、数百m範囲内の2台のサービスロボット間で協調動作を行い、より見廻り場所に近いロボットへの見廻り依頼や、待合せによる撮影データのロボット間受け渡しも可能なことを確認している。図8に本実証実験で利用したサービスロボットの外観・機器構成を、図9に自律移動サービスロボット内のシステム構成示す。このロボットは、配膳ロボットとして開発された縦539mm、横460mm、高さ1,088mmの自律移動ロボットで、LiDARと呼ばれるセンサーを使って、常に周辺の障害物等との距離を計測し、障害物を回避しながら自律的に移動することができる。自己位置推定と環境地図作成を同時に行う技術(SLAM: Simultaneous Localization and Mapping)を採用した地図自動作成機能を備えており、リアルタイムに自らの周辺環境の変化も捉えた地図を更新しながら現在地を推定し、与えられた目的地点に向かう能力を有している。最大移動速度は、ゆっくりとした人の歩行速度と同程度の毎秒0.8 mである。図8に示した自律移動サービスロボットには、3軸ジンバルに取り付けられた4Kカメラを搭載した。4KカメラからのHDMI出力映像は、ビデオコンバータを介してデバイス連携用PCに入力され、同PC内でH.264/AVC形式で圧縮保存される。また、ロボットにはTransferJet Xを用いたミリ波通信デバイスが搭載されており、デバイス連携用PCとは、USBケーブル(制御用)及び10 GbE(ギガビットイーサ)ケーブル(データ通信用)を用いて接続されている。ミリ波通信デバイスにはUSBケーブル経由で利用可能な制御APIが備わっており、対向するミリ波通信デバイスとのセッション確立状態や受信電力等の情報の取得が可能である。セッション確立後、撮影データは対向するミリ波通信デバイス間で無線伝送されます。ロボットの目的地設定や移動開始指示など移動に関する制御は、ミリ波通信デバイス格納部とアンテナ3軸ジンバル付き4Kカメラデバイス連携用PC920MHz帯対応IoT無線ルータ(YeST+)ロボット制御部(Linux)デバイス連携用PCミリ波通信デバイスUSB10GbE920MHz帯IoT無線TransferJetXIoT無線ルータ(YeST+)GbEスイッチ4KカメラビデオコンバータHDMIUSBMQTT/GbE図8 実証実験で利用した自律移動サービスロボットの外観・機器構成図9 自律移動サービスロボット内のシステム構成1014-4-1 Piggy-back Networkの概念とモビリティ間近接機会利活用技術の研究開発
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