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ンターネットより隔離された環境で行われることも特徴のひとつとしていて、エミュレーション等の実行によって生じる実世界への深刻な影響を回避することができるため、マルウエアの検証等、「失敗」を許容する実証が可能である点においても高い意義を有するテストベッド環境と言える。第5期中長期におけるテストベッドの方向性と、B5Gテストベッドの概要 4.1B5G時代のテストベッド環境本節では、前述したこれまで総合テストベッド環境を拡張する形で実現・提供していくB5G時代のテストベッドについて述べる。図8に、第5期中長期目標期間における総合テストベッドの方向性を示す。本期間においては、従来の総合テストベッド環境によって提供してきた、有線・無線通信インフラであるネットワークテストベッド環境に加えて、将来やり取りされる膨大かつ多様化したデータの高度利活用を反映するサービスレイヤテストベッドを構築し併せて運用していく形態を想定している。また、ネットワークテストベッドについてはB5G地上系無線通信システムにおいて想定される様々な利用局面を実現できるように、ソフトウエア化技術を適切に実装したモバイル網及び基幹部構造を適用することを想定している。4.2高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの構築総合テストベッド研究開発推進センターでは、上述したB5G時代のテストベッドを具現化するものとして、高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの構築を進めている。図9に、高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの概要を示す。これは、図8に示したB5G時代のテストベッドの方向性を、国内の各拠点を想定した具体的な構築として具現化したものである。本テストベッド環境は、B5Gにより実現される通信ネットワークシステムにおいて安定かつ大容量・低遅延などのサービス品質を限られた設備で満たすために、従来のシステムと比較して、高信頼性と高い可塑性が求められることを重視し構築されるものであり、加えて、B5Gシステムの高い信頼性・可塑性確保には、産学官が多様な技術を持ち寄って研究開発・実証を行う必要があることを考慮した上で検証環境として整備されるものである。4.3高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの構成論図10に、高信頼・高可塑B5G/IoTテストベッドの構成論を示す。本テストベッド環境は、構成理念として、検証対象とする技術、ファシリティの拡張可能性を最重要の事項としていて、具体的には時空間同期技術や、後述するDCCS等のデータ連携・利活用技術等の適用にも対応することを想定している。以上のよう4図7 StarBEDの概要実験専⽤のPC群実世界と同じOSやソフトウェアが動作PCをそのまま貸し出すのでOSの入れ替えも可能持ち込んだハードウェアを接続可能ネットワーク構成も自由に設定可能インターネットから隔離されているので「失敗」を許容マルウェア等の動作検証も可能約500台のPCが存在するため大規模な環境での検証が可能実時間で動作実験PC群を簡単に操作可能なミドルウェアの提供石川県能美市のNICT北陸StarBED技術センターに設置72 NICTにおける総合テストベッドの概要とB5Gに向けた取組

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