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(StarBED)等のテストベッドを統合することにより、実基盤からエミュレーションまで、様々なIoT実証実験に対応し、技術実証と社会実証の一体的推進が可能なテストベッドである。また、様々なユーザーのニーズに対応するため、IoTゲートウェイ、キャラバンテストベッド、LPWA(Low Power, Wide Area)テストベッド等を随時組み込み、機能拡張を図ってきている。さらに、窓口の一元化、契約手続の簡素化、周知広報活動の実施など、本テストベッドの利活用促進策を積極的に展開してきており、これらにより広範なオープンイノベーションの創発を推進している。以上の取組の結果、第4期中長期計画期間の5年間において、本テストベッドの利用件数は期間累計320件となり、多くのユーザーの研究開発及びその実証に貢献してきた。以下、「NICT総合テストベッド」の構築、運用及び活用促進に関する取組について紹介する。技術実証と社会実証の一体的推進が可能な「総合テストベッド」の構築、機能拡張NICTでは、第3期中長期計画まで、新世代ネットワークの実現に向けた技術を実装し、それら技術の機能・性能検証を支援することを目的とした大規模なテストベッドを構築・運用してきた。第4期中長期計画からは、NICT内外におけるICT関連研究開発成果の技術実証及び社会実証を推進し、広範なオープンイノベーションを創発するため、超高速研究開発ネットワーク(JGN)、大規模エミュレーションテストベッド(StarBED)等のテストベッドを統合することにより、実基盤からエミュレーションまで、様々なIoT実証実験に対応し、技術実証と社会実証の一体的推進可能な「NICT総合テストベッド」を構築し、運用を開始した。また、より様々なIoT実証に対応していくためにテストベッドに求められる要件を、「スマートIoT推進フォーラム テストベッド分科会」とも連携し、次のように整理した。 •どこからでもIoT機器と容易に接続できるようにし、ユーザーの利便性を向上させる。 •無線通信検証環境を充実させる。 •誰にでも手軽にテストベッドを利用できるようにする。そして、総合テストベッド研究開発推進センターでは、これらを基に、どこからでもIoT機器と容易に接続できるようにするための「IoTゲートウェイ」のサービスを開始するとともに、「IoTキャラバンテストベッド」、「LPWAテストベッド」といった新たなサービスを展開し、従来のテストベッドでは検証できなかった、広範なIoT実証に対応できるよう進化してきた。さらに、第5期中長期計画に向けて、テストベッドとしての新しい機能の検討・開発を行い、「P4(Programming Protocol-independent Packet Processorsの略)テストベッド」を令和2年3月から、「エッジテストベッド」を令和3年6月から「NICT総合テストベッド」に追加し、提供を開始している。このほか、NICT総合テストベッド活用研究会(略称:活用研究会)として、NICT総合テストベッドを試験的かつ手軽に利用できる試用環境も提供している。2図2 IoTゲートウェイを利用したIoTデバイスからクラウドまでの一気通貫したIoT環境IoTゲートウェイの導入によりユーザのデバイスから容易にテストベッドが利用可能開発したIoTサービスを複数のクラウドとこのデバイスを使って実証実験したいJGN MPLSバックボーン4Gモバイル網IoT ゲートウェイ(LTE対応)北陸分散クラウドけいはんな研究開発者横須賀プログラマブルSDN16   情報通信研究機構研究報告 Vol.67 No.2 (2021)3 NICT総合テストベッド利活用の向上と拡大を目指して

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