し、採択されたプロジェクトは表3のとおりである。2020年度までの成果をまとめると次のとおりである。表3の全期間を通じての目的は、JHPCN拠点大学の情報基盤センターのコンピュータリソース(高性能スーパーコンピュータ、大規模ストレージ、大画面可視化デバイス/ディスプレイ)及び各種IoTセンサー(特に映像IoTデバイス)を融合的に活用するビッグデータサイエンス基盤となるJHPCN広域分散クラウド(図6)構築である。デバイス環境の融合のためには、高速インフラストラクチャネットワーク(JGN及びSINET5)の有効活用が必要となる。上記研究では、NICT等が開発しているTCPと共通なインターフェースを有するトランスポート層プロトコルであるHpFP(High-performance and Flexible Protocol)[48]–[56]及び高速ファイル転送ツールHCP tools [57][58]を用いた基礎性能検証を行ってきた。3.3で後述のとおりHpFPはUDPベースで設計されており、HCP toolsはHpFP版とTCP版がある。HpFPやHCP toolsを用いてコンピュータリソースやIoTデバイスを組み合わせることでビッグデータ処理システムを構築し、ビッグデータサイエンス分野の様々なケーススタディを実施してきた[59][60]。HpFPプロトコルを基盤としたビッグデータ解析のための広域分散クラウドでは、図6の9拠点を対象に10 Gbps通信環境(一部は1 Gbps通信環境)を活用した拠点間データ伝送・共有を進めた。2020年度に、表4 TCP計測結果(iperf3による)表5 HpFP計測結果(hperfによる)表3 これまでのJHPCN採択プロジェクト図6 JHPCN広域分散クラウド(国内9拠点のリソース分散):赤文字は2021年度割り当てリソース68 情報通信研究機構研究報告 Vol.67 No.2 (2021)4 NICT総合テストベッドの新たな可能性に向けた研究開発
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