備と閲覧用Webアプリケーション開発が進んでいる。Timeline及びTileViewerはオープンソースとしてWeb公開し(図10)、さらに現在GitHubなどでOSS(Open Source Software)として公開予定である。ビッグデータ利活用(東北大学、NICT、宇宙航空研究開発機構)ではHpFPプロトコル[48]–[56] をベースとして開発したHCPツール[57][58]のWindowsクライアント版を用いたデータファイル実験準備中である。クライアントプリはおおむね完成しており、JHPCN広域分散クラウド上での動作検証中である。2.5時空間データGISプラットフォーム本稿の目的は、時空間データGISプラットフォームの提案である。時空間データGISプラットフォームは、2.1のCyberEearthのコンセプトを2.3のNICTサイエンスクラウド及びその発展である2.4のJHPCN広域分散クラウドにおいて実現するものである。図11にはCyberEarth(NICTサイエンスクラウド)を実現するために必要なエコシステムを示したが、これらは3.1及びNICTサイエンスクラウド報告[34]において準備が完了している。時空間データGISプラットフォームの基本コンセプトと目指すゴールは、次のとおりである。基本コンセプトは2.1に述べたCyberEarthそのものであるが、より具体的には次のとおりとなる。 •時空間のスケーラビリティー可視化 •充実したAPI(ライブラリ) •大規模ボリュームコミュニケ―ション •汎用性と訴求性の高い実アプリケーション時空間データGISプラットフォームをWebアプリケーションとして実装する際に最も重要な機能は、時間(1次元)及び空間(3次元)においてスケーラブルな可視化機能を有することである。3次元空間のスケーラビリティーについてはGoogle EarthやCesium、iTownsなどのWebGISツールがこれを達成している。メディア等でしばしば用いられる地球体から特定の家屋までを連続的にズームイン可視化するデモンストレーションは、スケーラブル可視化機能の有効性を如実に示している。その一方で、データの時間スケーラブル可視化技術については顕著な開発事例がない。例えば、amCharts[65]のようにデータのスケーラビリティーに対応しているグラフツールもあるが、機能は限定的である。筆者らは上記WebGISで用いられているピラミッドタイル技術を時間方向に適用することで時間スケーラブルな時系列データ可視化を実現した。時空間データGISプラットフォームを利活用し、目的に応じたアプリケーションを実装するためには充実したAPI(ライブラリ)の提供が重要である。提供すべきAPIにはデータアクセスのためのAPIとデータ処理機能提供のAPIがある(図12)。また、JavaScript、jQueryやReactのようなWebベースのAPIや画像処図12 GIS及び映像IoTデータベースシステム(データ提供APIと可視化機能API)図11 NICTサイエンスクラウド要素技術(エコシステム)714-3 時空間データGISプラットフォーム
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